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女流阿房列車

価格: ¥1,575
カテゴリ: 単行本
ブランド: 新潮社
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ストイックな旅を軽妙な文章で ★★★★★
もはや安心して楽しめる、酒井さんの鉄道エッセイ。
今回は「東京の地下鉄を一日で完全乗車する」「東海道五十三次をひたすら乗り継ぐ」みたいな、「わりとつらい旅」をひたすらこなしていくという、ストイックな内容になっています。
ですがそこは酒井さん、ストイックなテーマなれど軽妙な文章は相変わらずです。

本編の面白さは言うまでもないので、それ以外のところで気になった点・面白かった点を二つ

・酒井さんを出迎えるためだけに旅先で待機している人がいたり、二人も三人も一緒に取材旅行に行ったり・・・この出版社さん、お金あるんだなぁ(笑)
・途中、『鉄子の旅』とのタイアップ企画があり、別の人(漫画家の菊池直恵さん)の視点から観た酒井さん像が描かれます。そこで描かれる酒井さんのキャラと、文章とのギャップが面白いです。

鉄道好きなら、買って損はない一冊です。
縛りのある女旅 ★★★★☆
あの独特の文体で、流れる景色が目に浮かぶようです。
ですが今回はどれも条件付きの厳しい旅。ちょこちょこと必ず食べ物の話が出てくるところがなごませてくれます。

一部に菊池直恵さんの漫画も収録されてあり、同じ旅をして、こうも視点がちがうものか! とお二人(や他の同行者)の個性を感じさせられる内容でした。
或る意味、贅沢な「鉄旅」が詰まった一冊 ★★★★☆
 著者によるテツ(鉄道)系エッセイ第二弾です。

 『日本鉄道旅行地図帳(これも新潮社)』の企画者が組んだプランで、ゆるい
「乗りテツ(出発から到着まで列車に乗っているのが○。乗っている間に寝たと
しても、それを惜しいとは思わない、という一般的な「テツ」には理解出来ない
(笑))」である著者が全国各地の鉄道に乗って来た、という内容です。

 行程は以下の通り。

・一日で東京メトロ&都営地下鉄完全乗車
・24時間以内に鈍行でどこまで行けるか?
・秘境駅を訪ねて(『鉄子の旅』とのコラボもの)
・東海道、五十三駅乗継で京都まで
・嵯峨野でトロッコ列車に
・根室本線鈍行の旅、但しお眠り禁止
・北陸本線旧線を歩く
・こだまで東京→博多+博多南の旅
・スイッチバック好きが案内する信越本線&篠ノ井線スイッチバック巡り
・四国で旧国名が付いた駅を巡る
・九州(除く福岡)油物(さつま揚げとか長崎てんぷら等)食べつくしの旅

 おまけとして菊池直恵の『鉄子の旅プラス(IKKI掲載読み切り)』と、原武史との
対談を収録しています。特に菊池氏の漫画は同じ旅程を、違う表現者からの視点で
描いているので
(連載時の面白さに加え)そこが読みどころかと。

 【旅というのはまさに人間性そのものが出る行為なのだなぁ、ということ。鉄道の
ダイヤは万人に同じ条件を提示しているのに(中略)、どんな旅をするのかということは
すなわち
どんな人間かということを表すのです(本書53pより引用)】

 この一文が本書の性格を見事に表しています。他人のプランに乗っかっていても、旅
そのものはいつも通り、著者の世界(そして彼女の視点で見たテツ好きの世界)が構築
されているのです。

 全てとは言いませんが、読後、同じ路線に乗ってみたいな、と思わせる旅がそこには
ありました。鉄道の旅(乗って何処かに行くこと。乗ることや撮影等がメインの人には
ゆるすぎて楽しめないかと)が好きな人には、お勧め出来る一冊です。

 尚、タイトルはこれまた鉄道好きだった内田百閧フ阿呆列車から。
そして、旅自体は宮脇俊三へのオマージュとのこと。