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街道をゆく 40 台湾紀行 (朝日文庫)

価格: ¥987
カテゴリ: 文庫
ブランド: 朝日新聞出版
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シリーズ最高にして異色の名著、すべての日本人に ★★★★★
このシリーズは皆愛読書、しかも海外編は特に優れていると思っていましたが、先入観で台湾を最近まで後回しにし続けて来ました。それが大変な不明であったことを残念に思っている今日この頃です。司馬のスケールの大きな歴史と人文の見識が、この麗しき小国の現実を余す事なく正確に捉えています。というか淡々と事実に語らせながら、同時に司馬自身の捉えられた強い愛着と感傷がその事実ときちんと距離を取りながら節度を保って表明されている。それゆえ強い印象を読者に与える効果を醸して出しています。「台湾の話これで終わる。ただ脳裏の雨は降り止まないが。」という最後はそれを端的に表現していた。司馬自身が歴史から手探りで掘り出してきた日本文化の良い筋目、武士道に代表される公の精神、というものを台湾の日本語族の人々がかくも正しく高く評価してくれたことに彼自身意外で驚きそして嬉しかったのだろう。この本をきっかけに古川氏の八田與一の伝記、サイ氏の台湾と日本精神、など読みました。今日の世界情勢を考える時、中国や朝鮮の抱える汚職社会という歴史的体質とどう向き合ってゆくかが実は大切な視点だと司馬さんは考えていたのではと想像しています。日本も台湾もろとも飲み込まれてしまったら、日本も靖国に眠る霊も世界史上なんの意義も果たせなかったことになります。やはり日米を基軸に大陸に対して警戒を緩めず毅然とした姿勢を保ちながら、大陸の正しい発展に是々非々で協力する賢明さが必要だと感じさせられた。その価値観を共有できるのは、台湾の本島人であることを決して忘れてはいけませんね。日本語族の人達がまだ少しでも生存している今年か来年、必ず台湾をゆっくり旅行しますよ。マイルあるからね。そんな衝撃でした。 すこしでも多くの人に読んでいただきたく、この新訂文庫にも投稿しました。
台湾=中華民国ではないという見方 ★★★★☆
 台湾は歴史が曖昧な国だ。明が海禁政策を取っていたので、オランダが来るまでは原住民の地だった。鄭成功がわずかの間本拠地とするが、長くは続かず、清の時代もその勢力は西側に限られる。日本が植民地として、ようやくまとまりが見える。
 丸谷才一の「裏声で歌へ君が代」にも出てきたが、長い間国民党の戒厳令がしかれ、政治的に殺伐とした時代が続く。蒋経國が死んで、ようやくまともな国になってきた。
 小林よしのりの「台湾論」に書かれた八田与一もここに登場する。
 日本や台湾、中国の人間関係を網羅してゆく記憶のはたらきは、さすが大したものだ。やや個人の思い入れもあるとは言え。中国が表意文字の国だから、あれほど大きくて統一されているというくだりも面白かった。
 また清末期、富貴人の家では息子が酒色におぼれるよりはアヘンを吸うことを奨励した、というのも驚きである。
 オランダ人たちは、十七世紀後半にもなると国を捨ててバタヴィアに移ろうという意見を持つのもいたという。
 また台湾出身で太平洋戦争において日本兵として戦い、終戦から29年、インドネシアで発見された人もいた。