腐らず、自棄にならず、まっすぐ自分の仕事をしよう
★★★★☆
道警シリーズも4作目。映画化がきっかけとはいえ、短期間で夢中になって4作読みました。佐々木譲さんの警察小説は、どれも素晴らしいと思います。残念ながら、警察小説以外を読んだ事はないのですが。
今回は、レビューのタイトルにも書いたセリフが印象的でした。本編中にある警官が言うセリフです。「キャリアどもが何をやっていようと、おれたちはくさらず、自棄にならず、まっすぐ自分の仕事をしような」そこには、諦めざるを得ない悔しさと、ほんの少しの希望を求める男達の願いが込められている気がします。警官の正義があるように感じました。
本編は、前作で小島百合が逮捕した鎌田が病院から逃亡。ストーカー被害者の村瀬香里の元に、差出人不明のメールが届く。鎌田からの可能性があることから、小島は再び警護につく。津久井は鎌田の行方を追う。
今回、佐伯の出番は非常に少ない。自分は道警シリーズといえば佐伯が主人公と思って読んでいたので、かなり残念。それで★4つ。しかし、内容としては面白かった。ラストも悪くない。
ひと休憩?
★★★☆☆
道警シリーズの第4弾。
一応、「笑う警官(うたう警官)」に始まる道警組織対主人公達という流れは前作『警官の紋章」でひとまず完結ということだそうで、
今作からは登場人物を発展させていく新シリーズということだそうです。
中身はスピンオフ的なライトさでミステリも一応、事件が絡み合ったりと、
なくはないのですが前半を読めば結末はわかってしまう軽いものです。
そもそもそこに重点はおかれていない様子。
当方、佐々木氏の作品はだいたい読んでいるのですが、
基本的に氏はあまりキャラクター描写が際立つといった作家ではなく、
むしろ作品全体の醸し出す雰囲気が魅力だと思うので今作のような内容は
あまり向いていないのでは?と個人的には思います。
「制服捜査」シリーズなんかの方が作家のよさが巧くでているかと。
シリーズを読まれている方は天気の悪い週末なんかに読破するにはよいのかもしれません。
作者にはそろそろ「警官の血」の様なヘヴィな大作を期待してしまいます。