挿絵だけでなく、本の装丁を扱っている
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挿絵だけでなく、本の装丁を扱っているのがうれしい。
挿絵の文法などが短いことと、お話がながくて、挿絵がないページがあるのが悲しかった。
できれば、全ページに、必ず挿絵付きにしてもらえると、とてもうれしかったかもしれない。
古本屋の話などの経験談も、現実味を持つためにはよいが、挿絵そのものに関する言及について、今一歩の踏み込みがほしいかもしれない。
猫とジャポニズムにおける、マネの猫と花が、ジャンフルーリの「猫」にあるとのことだが、
「ジャポニズムの影響があるのかもしれない」という記述は、いったいどこにジャポニズムの影響を感じたのかが分からなかった。
モチーフを半分しか書かずに構成する大胆なトリミングが、日本の浮世絵を思わせたものとのこと。
著者はどう感じたのだろうか。
「現代の日本人の眼からすればどうみても西洋の銅版画であるが」と、第三者の目に摩り替えるのはいかがだろうか。
それなら、日本の切り取り方と西洋の描写法というふうに、断言してもいいのではないのだろうか。