人間が牛や馬や豚や鶏を家畜化し，肉を食べたり労力補助に利用したりすることを正当化している根拠は，旧約聖書の創世記にある（p.151）という記述は，「ああそうなのか」と納得した．また，大学勤務時代に僕は，学生が幼児化していることを嘆いていたが，ヒトという種の幼児化すなわち完成された大人になるまでの期間が長いことが，人類文化を築く上で重要な働きをしている（p.72）ことも，「なるほど」という感想をもった．「文化人類学という学問もなかなか面白そうだ」というのが全体的な印象．文書の書き方に独特の癖があり，ちょっと読みにくい感じがする．