ぱいかじ南海作戦
★★★★★
失業と離婚を味わった主人公の男性が,都会を離れてふらりと訪れた南海の浜辺で出会った5人の男。主人公は開放的で刺激的な日々を送っていると思ったのですが…。話は驚きの急展開。しかし,本当に刺激的なのはここから。遅れてやって来た若者3人と,まさかまさかの共同生活が始まります。若者たちは,野営生活のなかで成長したり,意外な才能を発揮したり。ひとりひとりが実に魅力的に描かれています。そして,最後のおぃおぃと言いたくなるオチ。話の流れが変化する具合も絶妙で,最後までわくわくドキドキの連続を味わえる一冊でした。
私にとって,とくに印象的なのは,共同生活を送る関西娘の話す言葉です。細かい部分の関西弁の言い回しがリアルで,物語にいい彩りを与えています。
何か面白い小説は無いかなと思っている方には,おススメの一冊と言っていいです。
西表島
★★★★★
何となくタイトルに惹かれて買って読んでみましたが・・・
おもしろかったです。気分転換にでも読んでみるといいかもしれません。
椎名ワールドに飲み込まれてしまった感じでした。
ぱいかじ(南の風)に吹かれたい
★★★☆☆
会社は倒産、妻にも去られ、失意のなか南の島にやってきた俺は、やさしいぱいかじの吹くこの世の楽園のような島で、長期海浜狩猟キャンプ生活に入った。
この手の小説となると、椎名さんの独壇場ですね。虚構の世界なのは解っていますが、椎名さんの体験談のような気がします。
疲れている人、最近旅行していない人にお勧めです。
ゆかいな海洋サバイバルアドベンチャー
★★★★★
失業と離婚のダブルパンチを喰らった主人公の「俺」は、とくに明確な目的や計画もなく、椎名誠の描く男ではすっかりお馴染みの「まあ、いいやどうだって」的割り切りで、必要最低限の荷物を片手に一路南の島へ。そこでは「今後の人生の歩み方」をじっくり思案する暇もなく、ひょうたんから駒的な穏やかな慌ただしさが立て続けに待っていた・・・。特別ドラスティックな何かが起こるわけではなく、南の島の海辺での生活風景がメインで活写されているのだけれど、読んでいてとことん心地良くなる佳作。
ビールが飲みたくなる作品
★★★★★
失業と離婚を同時に迎えたおれは、沖縄に向かうが、さらに南下し西表島に向かう、島に入って3日目おかしな5人組と砂浜で海浜生活をするようになる。大宴会の後彼らはおれの荷物とともに消え去りおれは1人砂浜に取り残されるが、新たな訪問者の若者オッコチそして後から合流した関西の娘達アパとキミと再び海浜生活を始める。
久々の椎名誠、島の冒険生活を書かせたら天下一品、ほんとビールを一番おいしく書く作家であります。