最低の入門書
★☆☆☆☆
一見、敷居の低い入り方に共感を呼びそうだが、冷静になって読んでみると、内容の浅さは如何ともし難い。国際関係論的観点からのWestphalia 体制が珍しく日本語で書かれていたので買ってはみたが、英文のタネ本を見ながら書いたにしても、これほど甘い叙述になるのかという驚き。他の個所も「実は使える」ところはほとんどなさそうである。わかりやすい入門書とは、わかりやすい表現で記述内容の深さを落とさないことが肝要であるのは、昔の先生方であればあたりまえのことであったが、この執筆陣の実力ではそれを期待するのは無理だったのであろう。今回、国内での大学の講義で、最も使えそうな部分を一か所だけ抜粋し活用してみたのだが、生徒の反応はいま一つで、早々に撤収した。まだ自分で話をした方がよかったようだ。