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ヒトは食べられて進化した

価格: ¥2,310
カテゴリ: 単行本
ブランド: 化学同人
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言われてみれば当たり前か ★★★★★
どうも子供のころに漫画などで見た
人間がマンモスを狩っている絵が刷りこまれているせいか
人間=捕食する側、と思っていたが、その概念が覆った。

考えてみれば当たり前か。
今でも食われているわけだし。

既存の概念に対し、待てよ、と思わせてくれる良書だった。
本能のルーツを求めて ★★★★★
欧米人は狩猟民族で、日本人は農耕民族、といった言い方をよく耳にします。
狩猟民族は、集団で槍や斧などの道具を使って、マンモスのような大型の動物を獲物にしていた、ようなイメージがあります。
どうも、これは「ヒト」の歴史から察すると、かなり最近(といっても10万年ほど前)のことのようです。
しかも、このイメージにはユダヤ・キリスト教的価値観が影響していて、弱肉強食、男性的マッチョ社会を正当化するための仕掛けではないかと疑問を投げかけています。

「ヒト」は、500万年から700万年という途方もない時代を生きています。
「ヒト」は他の動物と比べて際立った違いがありますが、初期の「ヒト」は霊長類の一種に過ぎません。
「ヒト」の先祖を知るには霊長類の観察と化石の分析という二種類のアプローチがあります。
「ヒト」の先祖も、森で暮らしていました。基本的には木の実や果物を食べて暮らしています。そこからサバンナに進出します。これが霊長類との決定的な差になります。

「ヒト」は数百万年の間、肉食動物の格好の餌でした。
「ヒト」の集団は、絶えず、肉食動物に狙われていました。かんなで削られるように犠牲を出しながら、種を絶やさぬよう生きながらえてゆきます。
しかし、黙ってやられるがままであったわけではありません。サバンナにいる狩人(ヒョウ、鷲、ハイエナ、ヘビなど)への警戒と威嚇には、集団で一塊になり、四方八方に視界を確保するようになります。そして自分を大きく見せるために二本足で立ちます。
「ヒト」の集団のコアにいるのはメスの集団です。メスが道具を操り、繁殖の相手を選びます。オスはメスを守る役目です。
この数百年もの間に蓄えられた記憶こそが、今もって私達の本能としての働きをしているようです。
翻訳文が非常に読みづらいのですが、それを補って余りある、「ヒト」というもの不思議さ、興味をそそる内容・テーマでした。
どうやって今の人間ができあがったのか、自然とはどういったことなのか、大きな刺激が受けられると思います。
衝撃的な新しい絵 ★★★★★
原始人といえば石斧を持って大勢でマンモスを追いかけていた・・・という絵はタコの火星人同様過去のマンガだ。本書は人類のはじまりを全く異なる絵として描いている。「狩猟するヒト」ではなくて、いかにして肉食動物の餌食にならないか、という観点から人類が進化したと仮定すると説得力をもって説明できることが多い。我々は暗い場所だと不安になったり怖いのは何故か。大勢だと安心する理由。蛇や虎を見るといやな感じがするのは万国共通。広く見晴らしの良い場所に出ると清清しい気持ちになるのは捕食者がいないことを確認できるから。そして直立二足歩行の利点は捕食者からみて体が大きく見えるので有利だった・・・。
本書では触れられていないが、長年懸案だった問題の答えを見つけたようにも思う。世界中各地でヒトはどうしてかくも色白に価値を置くのか。本書にヒントが書いてある。
視点の転換 ★★★★☆
ヒトは他のサルと同じようにその歴史のほとんどを肉食動物の捕食の対象として過ごしてきた・・・

ヒトは進化の中である日いきなり、特別な存在として登場したわけではない。冷静に考えれば或る意味当たり前のことに改めて気付かされ、著者の思考の柔軟さに瞠目しました。ただ、現在の肉食動物とサルを通しての記述にかなりの紙数を割いており、化石人類の記述がやや少ないなという印象もありました。化石人類そのもののについても、もう少し詳細に語ってほしかったとも思います(これは仕方の無いことかも知れませんが)。

しかし、そうは言いながらも、その現在の肉食動物とサルの記述も大変興味深いものが多く、楽しんで読むことができました。博物誌や歴史に興味をお持ちの方なら、一読の価値は十分にあると思います。
人間が日常的に食べられていた(る)という想像力 ★★★★★
どこかで自分をその他動物と区別して考えて、自分(たち)を特別な存在と考えてしまう。それは人としての傲慢とか、そういうことではなく普通に先進国で生活していれば、人が食べられるというのはB級ホラー映画の中でしか見聞きしないこともあるし、地球環境そのものに影響を与える存在としての人間というようなニュースが溢れて自然と地球の支配者という意識を刷り込まれていることがある。

…そんな既成概念を真っ向から覆すのが当書となっている。

進化理論においても人の淘汰圧として性淘汰はクローズアップされるようになって久しいが、捕食者の存在を念頭に、人もそれこそガゼルと同様に「食われる側」としての自然淘汰圧が働いていたというのはまさに衝撃である。もちろん、未だ「狩る側」の存在としての人間種というのが学術的大勢を占めているという留保はふされているが、陸でも水でも空でもこれでもか、これでもかと証拠をあげられていくと読み進めるうちに既成概念が揺らいでいくのがわかる。

また、そのような小難しいことを考えずともハイエナ、コモドオオトカゲやワニなどなどにぱくっと食べられている人間のことを知るだけでも存分に楽しめます。