介護をたのしめる日本にできれば
★★★★☆
マンガ好きな自分なのですが、このヘルプマンのシリーズ、内容が生々しいので疲れているときに読めなくてほとんど読んでいないのですが、勧められて8巻だけ読んでみました。
…話の内容は、あるとき突然、知らないうちに認知症になっていた母親が家にやってくることからはじまります。認知症からの問題行動に追い詰められた兄弟が、耐えかねての行動でした。
…病気っていう突然の事件を医者として日々相手にしていると、老いや病気に向けて準備する難しさを感じます。「効率的」につくられ変化する余裕のない生活は、老いや病気であるとき急に崩壊する。変化にたえられないから。
老いるとか、病気になるとか。
ほんとうは、生きている限り当然のこと。
でもその当然のことと、共存できない。
もちろん、姥捨て山、などがあった昔だって共存は難しかったはずだけれど。
でもその変化と共存できたとき、ほっとする空気がある。
介護って生々しいし報酬低いしたいへん。「くさい」「きたない」と眉をひそめる人たちもいる。けれど、いきいきそれと向き合っているひとたちがいて、そしてそのひとたちの周りにはほっとする空気があって。
この本を読んでいると、そんなことを感じたりしました。