なにも考えずに見るほうが良い
★★☆☆☆
和也の死んだ父親と、元チャンピオンの過去。
置き去りにされたトラウマを持つ女が、猫を飼う。
話としてはありきたりで、もの珍しくはない。
特に章次は苦い思い出が二つあることで、
それぞれの話がぼやけている。
かつての仲間からの襲撃も、急に止んでしまったり。
菊ちゃんの役どころも、最後までよくわからなかった。
和也と章次が出会うための重要な存在ではあるけれど、
もう少し和也との以前の話があっても良さそうな。
和也の淡い想いも、最初のほうの2人のやりとりも、
なんだか唐突すぎて、尻切れトンボ。
いい脇役がたくさん出ているのに、どこか中途半端。
(大島優子さんが意外と自然な演技をしているのは良かった。)
演者が多くを語らず、表情や情景で伝えたいのはわかるにしても、
雨を浴びるシーンが多すぎて、プロモーションビデオのようでもあった。
なにかが惜しい。
でも、あまりいろいろ考えず、夜中にでもぼんやり見るほうが
かえって心に残る映画なのかもしれない。