凄すぎる源氏物語の解説書
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源氏物語の解説書という意味では「学校では教えない教科書『面白いほどよく分かる源氏物語』」(同著者)と同じで実際内容も一部重複している。しかし、『面白いほどよく分かる』が物語に沿って縦割りに1テーマにつき2ページで書かれているのに対してこちらは横割りで形式にとらわれず思う存分書かれている。第一章が登場人物、第二章が衣食住の時代背景、第三章が土地・建物、第四章が召使と主人の関係、第五章が絵画・音楽・書等、第六章が占い・物の怪・宗教、第七章が紫式部の人物像から見た作品分析といった具合である。本書について特筆すべきことは図表(「光源氏のセックス年表」、「登場人物たちの顔と体格の一覧表」、「登場人物官位表」、「後宮の住人変遷図」、「主な建物の相続関係」等等)。さり気なくではあるが、半端でなく気合と年季の入った図表の数々。伊達に十年以上も下ネタ交えて「源氏物語」を語ってないぞ!と言った感じである。