小気味良い文体で、読者の想像力が多いに掻き立てられる
★★★★☆
ミラノやヴェニスなどの都市を紹介した本ではなく、
あまり知られていないイタリアの田舎街を、南から北上して旅した際の紀行文。
重くない乾いた文体で、紀行文とはいえ、お洒落な小説を読んでいるよう。
”まだシャワーを浴びていないから髪が狂ったように大暴れしている”だの
”二つの古くて質素な教会。パピルスの生い茂る水飲み場。広場を囲む5軒のバール。
辺りを優雅に飛び交うツバメ。”
といった、体言止めの文章を読むと、
想像力が多いに掻き立てられ、その情景が凄くよく目に浮かぶ。
JWaveのDJをしているの著者だとはなんとなく知っていたけれど、
すごくファンになり、
ブログや著者のほかの本も読みたくなりました。
一緒にいるような空気感
★★★★★
著者の「・・旅路編」第3騨。
タイトルどおり、我々にはあまりなじみの無いイタリアをHABUちゃんと巡る「ぶらりイタリアふれあい二人旅」といった趣。(パラッツオ・アドリアーノやアルベロベッロなど有名ところも訪れているが)一応の目的はあるが、シチリア島からミラノまでのおおまかなルートの途中訪れたイタリア各地でのすばらしい出会いや体験を、軽やかにさらりと、しかし情感豊かに綴っている。
氏の著書を読むと、とにかく旅に出たくなったりその場所を訪れてみたくなるのは臨場感にあふれているから。文体のうまさよりも、何かその場にいるような感覚でイメージがわいてくるのだ。素直に想像力に身をゆだねながら読んでみると、なおさら心地いい読書体験とイタリアふれあい体験ができるだろう。