だったり、時間を経て変わったものだったりと、シリーズをずっと読み続けている人には、たまらない部分はしっかりと残っている。高田がもっと登場してくれたらなぁ、などと言うのは無理な話か。
そんなアズマさんの、「これが答えだよ」という公式ステートメントが発端になって、書かれているのが本作だと思う。いまだに官依存でぬくぬくとしてその日その日をすごす人間が住む土地。ぬるぬるの警官や土建屋など、北海道の地方に住んでいる人が読んだら「あ、これってうちのマチがモデルなのかしら?」と思うくらいのリアルなキャラ設定。
45歳になった「俺」の孤軍奮闘とヤセ我慢はさらにエスカレートし、忘れられない人への、痛々しい思慕がいい塩梅にちりばめられていて、最後までイッキ読みさせてくれる。
アズマ作品は一通り読んでいるつもりだけど、冒頭の献辞と、あとがきが付記されているのは本作が初めてではないかな?本人にとって思い入れの深い作品なのでは?と深読みしてしまいそうだが、、、。
そこで偶然昔の年上の彼女に会い、ある用事を頼まれる・・・・
今回は今までと違い札幌ススキのから離れ、「斗己誕」と言う田舎町が舞台
です。
最後まで、主人公もそして我々読者もどんな事件に巻き込まれているのか
わからないまま話が進んでいきますが、間違いなくシリーズ最高傑作です。
そして、今までで一番せつないラブストーリーでもありました。
とにかくお奨めです。