【セブン-イレブンで24時間受取りOK・送料0円!】 著者/訳者名:ジョディ・ピコー/著 川副智子/訳 出版社名:早川書房 シリーズ名:ハヤカワ文庫 NV 1203 発行年月:2009年09月 関連キーワード:ワタシ ノ ナカ ノ アナタ 1 ワタクシ ノ ナカ ノ アナタ 1 ワタシ ノ ナカ ノ アナタ ハヤカワ ブンコ エヌヴイ 1203 わたし の なか の あなた 1 わたくし の なか の あなた 1 わたし の なか の あなた はやかわ ぶんこ えぬぶい 1203、 ハヤカワ シヨボウ ハヤカワシヨボウ 6942 はやかわ しよぼう はやかわしよぼう 6942、 ハヤカワ シヨボウ ハヤカワシヨボウ 6942 はやかわ しよぼう はやかわしよぼう 6942 13歳のアナは、白血病の姉ケイトのドナーとなるため、遺伝子操作を経て生まれた。ケイトの病状は一進一退を繰り返し、ついには腎臓移植が必要となる。しかし、アナは腎臓の提供を拒み、両親を相手取って訴訟を起こす。もう姉のド
続きがきになる本
★★★★★
微妙に気になっていたんですが、興味がわく本がなかったので『これでいいや』って感じで選びました。
しかし、強く引き込まれるってわけではないんですが、すごく続きが気になりました。
ドナーとしての「デザイナー・ベイビー」
★★★★★
キャメロン・ディアスの主演で映画化されると言うことですが、この本を読んでみて、とても彼女が演じる母親サラに共感することは出来ないだろうなと感じました。(映画と小説は違うので、実際に彼女の演技を見たときには変わるかも知れませんが・・・)
と言うのは、サラは娘のケイトは白血病で、適合するドナーがいないと死ぬしかないと言うことを知ります。
サラが選んだのは、遺伝子操作によって「デザイナー・ベイビー」としてのアナを産むことでした。
従って、アナは生れながらにして、ケイトのドナーであり続けることを運命付けられています。
この小説は、この「ケイトを中心とした家族」の物語です。
兄のジェシーは、ケイトにとって何も役に立た無いと言う負い目と、母親のケイト中心の愛情から、放火や窃盗、麻薬と、悪の道に傾斜して行きます。
そんな中で起こったアナによる両親への訴訟事件が、この本の内容です。
登場人物のそれぞれの視点からストーリーを展開して行く作者の独特のスタイルが、登場人物の心理を抉って行きます。
そして、何故アナがこの訴訟事件を起こしたのかと言う謎が、読む者の心を急かせます。
素晴らしい小説です。
ただ、最後の終わり方はちょっと気になりますが・・・。
どうしても自分に置き換えて考えることを避けて通れない物語です。
★★★★★
自分って、なに…?
心の中にはいつもこの問いかけがある。
姉の病を補う身体をもって生まれてきたアナは
自分なりの答えを持っている…
必然は至上、だから姉と共に生き、もしかして死ぬことも…
誰もその答えに異を唱えることはない。
自分さえそうしなければ…
愛する家族…父、母、息子、娘たち
その誰もが姉ケイトの白血病との闘いを中心として結ばれてきた。
でも、その結びつきが不可欠で至上のものであった故に
いつしか互いに置き去りにし合って生きることを避けられなかった13年間…
登場人物の誰にも、こうすればいいと助言することも、
ましてや裁くことなんて出来ない。
アナも、姉のケイトも、母親のサラ、父親のブライアン、そして
重すぎる荷を負う家族の中でやがて常軌を逸していくジェシーも…
その誰をも、そしてどんな心の状態も、ボクは肯定してあげたい
でもそれは、責任のない読者という立場に身を置いているからに他ならない
ということに、突然気付かされる
どうしても自分に置き換えて考えることを避けて通れない物語です。
身近な誰かにとって、自分はなんなのか?
それほどまでに、子供、兄弟、父母、夫、妻という、
互いに結び付きながらも、
常に別個な存在である家族のそれぞれの在り方というものを
強烈に、そして愛情深く、突きつけてくれた作品でした。
原題とは異なる邦題も、最後まで読んで大変秀逸なタイトルだと感じました。
これは凄い作品です。誰もに奨めたい一冊です。