ハイ、糞だ。ハイ、糞だ。
★★★★★
江戸市中はのんびりぶらついている者はいなかったそうだ。皆、目的地に向かって足早に歩く。時々、天秤棒を担いだ農夫が掛け声を掛けながら通り過ぎる。うっかり傍にいたら大変だ。
「肥え取りは抜き身のように怖がらせ」の川柳は、やられた者なら切実だったろう。でも、こんな光景は時代劇には出てこない…。そんな江戸の事情に精通する著者のオモシロ話が満載。
明治後期まで「江戸の世が懐かしい」とでも言おうものなら危険思想の持ち主とされたほど江戸時代を否定したそうで、江戸を戦前と言い換えれば現代と同じだ。とすると近年その兆しは感じるが、戦前を再評価する時代がすぐそこまで来ているのか?
ほかには、”幼君への驚愕の性教育”が驚きだった。
時代劇とは違う、リアルな江戸の風俗史
★★★★☆
気軽に読める、江戸のリアルな風俗史。
どこから読んでも楽しめる、雑学書です。
江戸時代の風俗や歴史好きなら、読んで損は感じないでしょう。
また、日本刀の切れ味や、時代劇の主役達の本当の姿についても記載されているので、時代劇に興味のある方も、十分に楽しめるのではないかと感じました。
○「生類憐みの令」は悪法か?
など、先日たまたま一時間番組で放送されていた内容が、本作では数十ある題材のほんの2つ分だったので、値段の割りに内容は詰まっています。
ちなみに、他のレビューでも書かれているとおり、題名にある「大正時代にねじ曲げられた」の部分についての記述は少ないので、そこには期待せず、気楽に江戸の風景を想像して楽しみましょう。
下ネタ系の記述も多々あるため、色々な意味で、注意が必要です。少なくとも、子供には読ませないようにしなくては。
「大正時代にねじまげられた」かどうかは?
★★★☆☆
江戸の(一般の本には書かれない)風俗史。
シモ系の話(コヤシ・セックス)がけっこう強烈で、面白くサラっと読めます。
「大正時代に・・・」云々は流して書いてるし、本書のキモとまでは言えないかも。
ちょっぴりR指定。B級雑学の極み。鮮やかに蘇る江戸時代
★★★★☆
なかなか興味深かった。著者の名講釈とともに、江戸時代がリアルに蘇る。
「『人や動物を殺す』『人や動物が死ぬ』ことを何とも思わない風潮を止めたのが『生類哀れみの令』である」「初詣は昭和に始まったものである」「武士は武官だから、座布団という軟弱なものを使うのは許されなかった」「都会の人間砂漠は既に江戸時代に見ることができる」「江戸は八大将軍徳川吉宗の享保年間まで、人口における男女比は男性三人に女性一人の女不足だった」。
現代人の感覚だと、思わず「え?!」と思う記述があちこちにちりばめてある。結構面白くて、途中でやめるのが難しかった。特に、おどろきは男女の間の話。ここまで現代と違うとは思わなかったので、ちょっと衝撃だった。 また、「公儀が景気維持、消費需要を起こすために、町奉行に命じて火事を起こさせたという」というのも凄い。
一方、「寺子屋は孔子の儒学四書五経から教えられたので、『体罰』は禁止されていた」「江戸市中は、街頭喫煙禁止」については、現代の方がやっと江戸に追いついてきた部分のように思えた。
尚、「学問は道楽のうちが最もいい。世界中の発明、発見、新分野の開拓は、学問を道楽にした人によってなされた。江戸時代を今に伝える膨大な量の随筆も、道楽でなければ書き残すことは出来なかったにちがいない」という、歴史研究家としての著者の見方は江戸時代にかぎらない話で、結構鋭いところを突いていると思った。
江戸住人の経済事情 雑学集
★★★☆☆
江戸雑学集みたいな感じの本なので、どこから読んでもいいし、どこで休止してもいい
気安さがあります。
内容も難しい部分はほとんどないので、江戸期日本史の知識はあるに越した事はありま
せんが、さほど必要ではありません。
ただ、内容の多くは江戸市街の住人の生活に関するものなので、地方や農漁村の事情が
知りたい方には物足りないと思います。
江戸住人(侍、商人、農民、工人)の経済事情については、かなり詳しく具体的に触れ
ているので、これらに興味がある方には、お薦めの一冊です。
ただ、表題の「江戸の歴史は大正時代にねじ曲げられた」の部分に関する叙述はとても
少ないので、ここに期待して読むと少し失望感があるかもしれません。