不思議ちゃん感動!
★☆☆☆☆
ひとつひとつの言葉が泡のようで、切なくて、哀しくて、ちょっとエッチで、胸の奥の奥というかもっと下のほうがキュンとするような不思議な感覚になりました。月明かりの下、ベッドの中でこっそり読みたいです。
なんて、いってんじゃネーよ、不思議少女がぁ〜!!
うちの娘がこんな本読んでたら、説教だね。間違いなく。
ちょっと来て、ここに座れと。
おまえは、寺山修司を読んだのかと。ガルシア・マルケスを読んだのか、と。
そもそも不条理とはどういうことなのか、と。
おまえは何が書きたいのかと。イタロ・カルヴィーノから何を学んだのかと。
娘はきっと言うね「私が書いたんじゃないんもん」って。
そもそも娘いないけどね。
評判よかったんで、読んだけど、つらい、つらい、つらいわけよ。
とにかく、言葉が空虚というか何ものこららないわけよ。
イメージが全然、わかないわけよ。
何?うちの娘ぐらいの年の女の子ならわくわけ?
娘いないけどね。
無理したような、わざとらしいエッチなシーンあったり、
使い古されたシュールなイメージだったり、
不思議少女版ケータイ小説??
ちなみに、同じ1969年生まれのアメリカの女性作家ケリー・リンクとは大違い。
マジック・フォー・ビギナーズ (プラチナ・ファンタジイ)
表題作のラストの6行の燃えるスカートの少女の記事を新聞で読んだときの
イメージだけが、ちょっとリアリティあったかな。
色がポップなカップのケーキ。でも口当たりはモソモソ。
ご馳走さまでした。
不条理ワールド
★★★☆☆
レビューで評判がすごくいいので借りてみた本で16の短編が収録されている。
まずは『思い出す人』。
恋人が逆進化してしまう女の子の話。
「ある日まで彼は私の恋人だったのに、その次の日には猿になっていた。それから一か月たち、いまは海亀。」
カフカの変身を思い出す不条理さ。
彼女は日々退化(じゃなくて“逆進化”って言ってた)する恋人と一緒にいる。
「なんで?」とか「どうなるの?」とかは一切ない。
その他の話も、不条理。
やっぱり「なんで?」とか「結末は?」とかは一切ない。
『溝への忘れもの』
戦争で唇をなくした夫。唇があるはずの場所にはめられたプラスチックの板が話すたびにカチカチと音を立てる。
キスができない夫、唇と一緒になにかが失われてしまった。
その喪失感に苛まれる妻。
短い短いお話が16。
どれも満たされない人間(小鬼もいるけど)が主人公。
満たされない思いを抱えて不条理な世界で漂う。
なんかそんな感じ。
不条理とセックスと喪失感。
これっていわゆる純文学?
直木賞より芥川賞が好きって人にオススメ。
けっこう面白かったです。
不条理だけど。
「スノッブな女王様。緑の髪。おれのもの」
★☆☆☆☆
「思い出す人」「私の名前を呼んで」「溝へのわすれもの」「ボウル」「マジパン」「どうぞおしずかに」「皮なし」「フーガ」「酔っ払いのミミ」「この娘をやっちゃえ」「癒す人」「無くした人」「遺産」「ポーランド語で夢見る」「指輪」「燃えるスカートの少女」訳者あとがき 特別付録(散文詩2編)
高校に通う小鬼がいた。小鬼とばれないように竹馬で誤魔化していた。人魚がいた。長いスカートに尾を入れるブーツ。松葉杖をついて偽装していた。ある日小鬼はジュースにの缶に隠したビールに人魚の髪を浸した。髪には神経が通っていて人魚は酔っ払い…
率直な感想です。
理解不能です。
書評は絶賛しておりますが訳分からないし、共感もしないので読後何も残りませんでした。ブラッドベリは好きです。村上春樹もメジャーになる前は好きでした。でもこの突飛で支離滅裂な少女小説風な短編作品は読んだそばから忘れていきます。
小麦粉の上で、砂糖の上で、図書館で、学校でセックス。卑語のオンパレード。アニメやゲームは規制が厳しいのに文学作品だと許されるのか?高校生なのに?
不思議少女好きな人にはいいかも。自分は途中で何度も放棄したくなりました。そもそも3年前にギブアップしていた一冊でした。
軽いけど濃い。
★★★★☆
描かれる事象は突飛なものばかりなのですが、そこに見出されるものは都会に住む人の、あるいは自分を見失った人達の切実な孤独感でした。恋人がサンショウウオになったり、母が祖母を産んだり、小鬼と人魚が高校に通っていたり、火の手と氷の手を持つ少女達がいたりと並のファンタジーより奇抜な世界なのに、登場する女の子達のなんと現実的なことでしょう。ベンダーの描く女の子達は容姿も充分魅力があって、強面の世界に対して張り合っていくだけの自信も備えていて、一見したところ夢をかなえる資格充分なのですが、やはりそこにはままならぬ世の理があって、それに直面した時あたりはばからぬ孤独感に苛まれてしまいます。読者は、その孤独感に一種の『せつなさ』を感じ、彼女達の切実な訴えを噛みしめるのでしょう。軽く読めてしまいますが、なかなか濃い一冊でした。
せつなさとやさしさ
★★★★★
この本に収録されているどの短編にもいえることなのかもしれないけれど、11番目の短編「癒す人」は、せつなさと残酷さとやさしさが同居しあうような、複雑なおもいを喚起させる作品だ。この作品には、火の手をもつ女の子と、氷の手をもつ女の子が登場するのだけれど、この異質な二人の少女の断絶と交流をとおしてえがきだされる物語はうつくしくもかなしい。結末は幸福的ではないはずなのに、いやむしろひじょうに残酷なはずなのに、最後の一節はかぎりないやさしさに包まれている。なんどもなんどもかみしめて読みたい作品だ。
グリッサン、コンデ、アジェンデといったカリブ海=アメリカ文化圏の作家たちを伴侶に、おわりなき言語と思考の旅をつづける訳者の新著『コヨーテ読書』もあわせて読んでみた㡊??。