実務に媚びることなく言いたいことは言う。しかしそれは「内部告発書」的なものではなく、学術的手続にしっかりと沿ったものである。現在の広告界に対してやや攻撃的ともとれる主張は、本心から広告界の発展を願っているからこそである。これらのことが、この大著の端々から感じられる。
実務への具体的インプリケーションにやや欠けるキライはあるが、この大著を丹念に読むことで、広告主・広告会社・媒体者・制作会社を問わず、学び取るものは非常に大きいだろう。
実務に媚びることなく言いたいことは言う。しかしそれは「内部告発書」的なものではなく、学術的手続にしっかりと沿ったものである。現在の広告界に対してやや攻撃的ともとれる主張は、本心から広告界の発展を願っているからこそである。これらのことが、この大著の端々から感じられる。
実務への具体的インプリケーションにやや欠けるキライはあるが、この大著を丹念に読むことで、広告主・広告会社・媒体者・制作会社を問わず、学び取るものは非常に大きいだろう。
これが仕事で広告に関係する者にはなかなか言えない。なぜなら「広告という売上」や「確保した予算としての広告費」を否定しかねないロジックだからだ。しかし客観的に見れば、広告キャンペーンの掛けられた金額とその対象商品の売上が「増加関係」にない場合が珍しくないことを本書は丹念に洗い出す。つまり「広告費は多ければ多いほど良い訳ではない」。むしろ失敗のケースの方が多いくらいである。では広告費が有効的にはたらく条件とは何か?この組織上、認識上、市場条件上、広告表現上、計画上の条件の精緻な記述、これがこの本の中身である。その主張の大胆さから「稀代の奇書」と言ってもいいのではないか。いずれにせよ今までなかった「広告の本」であることは間違いないと思う。