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絆―オレと柔道をつなぐもの (Azusa books)

価格: ¥1,450
カテゴリ: 単行本
ブランド: 泰文堂
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8割殺して2割生かす ★★★★★
 柔道界随一の人気スター選手、鈴木桂治が著した30歳までの自伝です。アスリートらしい飾らない文体で、3歳で柔道着に袖を通してから、現在までの柔道家としての奇跡と心境の推移を綴っています。
 kizunightでも有名なタイトルの「絆」は、元々は高校のときのクラスメート5名との交友関係を指すことが明らかにされています。

 一流選手というものは、ともすれば自分の柔道の原点である小学生時代に通った道場のことなどは忘れてしまっているのではないかと思っていましたが、茨城県内の出身道場で行われる元旦の早朝稽古に毎年参加しているというプロローグを読んで、ちょっとホッとしました。
 世界大会(オリンピック+世界選手権)で、100キロ級、100キロ超級、無差別級の3階級制覇を果たし、全日本選手権も3回制覇し、柔道界の頂点に立った数年前をピークに、現在は低迷の時期を迎えていますが、本人もファンも「ぜひとももう一花」と望んでいることでしょう。それに向けての決意も込めた出版だと思います。

 タイトルにした「8割殺して2割生かす」は本書第6章の表題です。鈴木選手本人のオリジナルだと思いますが、柔道の極意を端的に著していると思います。よく試合や乱取で「相手をコントロールする」などと言いますが、相手の動きを10割殺しては決して有効な技は生まれません。

 サーフィンにも興じ、パーティも催す鈴木桂治という人は、つまるところふつうの素の20代の若者としても生きたいと願う人なのでしょう。そんな人は、なかなかこの国のトップアスリートの中からは出てきません。そのようなことに否定的なこの国のスポーツ文化があります。
 しかし、かまわず突き進んでほしいと思います。