A4判でもよかったかも
★★★★☆
手に取りやすい値段で、ページ数も掲載点数も申し分なく、絵も緻密で質が高いです。以下、書誌の情報と私感を列記しますと……、
・カットは5ページから288ページまで(章扉を含む)。うちヨーロッパは5〜137、アメリカは139〜288。
・ページごとのカットは、1〜多くて8ぐらい。
・解説はありません。地名と建物名は巻末に一覧があります。
・教会や聖堂に偏りすぎておらず、農村の民家なども含まれているのが個人的に高評価です。
・建物内部のカットは多くありません。柱や塔などの装飾がアップになったカットはちょこちょこあります。
・引きの構図が多いです。綺麗で実用的なのですが、もっとカメラを寄せて、上から下から描いたものも見たいと思いました。
・合衆国以前の南北アメリカの項目は、先住民の暮らしがうかがえる生き生きした絵が多く、気に入りました。
・すばらしく緻密な絵なのに、点数が多いだけに小さめのカットも多く、そこが残念でしたので星4つ。
建築資料というより絵を描くときの資料向きだと思います。また、3Dで建物を構築するための参考書としては向かないでしょう。
ただ、建物だけでなく街並みや人物が描写されているカットも多く、絵を描く人にとっては、背景の参考となるだけでなく、イマジネーションを刺激される本だと思います。