内容は、世界各国の昔の神殿や○○建築(ローマ建築)などについて、
イラスト・白黒写真を用いて構造・装飾の図解をされています。
非常に多くの建築様式をカバーしているため、一つの建築様式につき、
数ページという割り当てになっています。私としては、数ページは少ない
と感じました。
また、図説の仕方が雑であると感じる部分がありました。資料の種類として
は、断面図・鳥瞰図・正面図・白黒写真などですが、配置がバラバラなのと
ところどころに寸法が記入されているなど一貫性がなかったりします。
私の利用目的は、3Dゲームの舞台の資料なのですが、ある建築
をじっくり調べたくても、アングルが少なすぎたり、ズームアウトの
資料しかなく細かい部分がわからないなど不便を感じました。
利用目的によっては、あまり役に立たないかもしれません。
内容的に、建築様式を文章で解説した本と思いきや、もちろん構造や建築様式についての解説もありますが、そのほとんどが実際の建築物の透視図だったり、立面図だったり、断面図だったり平面図だったりと、難しい事抜きで、ビジュアルからの情報が多く得られる本です。
柱についた装飾についても、詳細なイラストと解説がなされており、例えば○○風建築を再現したい、という場合には、とても参考になるのではないかと思います。
建物の構造はさることながら、装飾解説の細かさも資料性の高いものとなっていると思います。建物の様式を知るきっかけとしても、便利かと思いますが、残念なことに主に寺院や神殿、教会がメインとなっていますので、一般的な民家資料としては使えないのが残念です。
”世界の”と謳っているだけあって、エジプトからギリシア、アイルランド、インド、中国など、まさしく世界を網羅しています。ですがメインはほとんどヨーロッパで、ルネサンスなど時代別に充実しているようです。
ほとんどがイラストですが、中には写真も含まれています。しかしモノクロの印刷のせいで、写真だけはあまり資料としては有益ではないかもしれないのが残念なところです。