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南洋通信 (中公文庫BIBLIO20世紀)

価格: ¥800
カテゴリ: 文庫
ブランド: 中央公論新社
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パラオが好きなひとは必読 ★★★★☆
格調高い幻想小説の『山月記』で知られる中島敦が、33歳で亡くなる1年ほど前に、政府の役人として太平洋の島国であるパラオに赴任していたことはほとんど知られていない。
本書『南洋通信』は、パラオ及びその周辺の国々を題材とした2編の小説(『南島譚』と『環礁』)に、パラオから家族や知人に向けた手紙(ほとんどが妻あて)を加えたものである。
中島がパラオに赴任していたのが、昭和16年という日米開戦の年であるので、書簡からは、戦争直前または開始直後の緊張した様子も伝わってくるが、私は、むしろ、妻にあてた手紙を、子どものことを痛ましいほど気にしている気の弱い父親をほほえましく思い浮かべながら読んだ。
また、『南島譚』と『環礁』は、南島のねっとりとした空気を伝える良質の幻想小説である。
パラオのビーチやホテルでのんびりしながら読むのに最適な本だと思う。
青い空と青い海を想う日々 ★★★★★
 23-25歳の頃、仕事で ミクロネシアの島々を巡る日々がかつて有った。今はダイビング等で有数の観光地になっているわけだが 一方太平洋戦争の戦場であり 当時も仕事の合間に 日本軍の遺構を見学した。サイパンのバンザイクリフ、テニアンのエノラゲイが飛び立った旧日本軍の空港。特にトラックでは老人が日本語で話し掛けてきたことにびっくりした事を今でも良く覚えている。敗戦から40年以上経った南の島々は 穏やかな青い空と海であった。もう15年も前のことだ。

 当時から ミクロネシアや北マリアナ連邦を取り上げた戦争の記録があってしかるべきだと思っていたが 実は 中島敦がこのような作品を残していた。
端正な中国物を残し夭折した作家は 南洋庁勤務でパラオに駐在した役人であったとは知らなかった。読んでいると いかに中島が熱帯に苦しんだかということがよく分かる。例えばサマセットモームが 同じように南洋を旅しながら次々と「雨」等の傑作を書いたことを 横に並べると その資質の違いが分かると思う。結局中島は 南洋で疲れ果てたのか帰国後まもなく喘息の発作で亡くなった。南洋通信に見られる愛息2人と妻への愛情を読み取った我々としては その経緯は非常に辛いものがある。

 小生も今でもたまに 南洋に出張する夢を見る。青い空と青い海の楽園の夢だ。中島が命を縮めた その楽園である。
 

愛情 ★★★★★
愛情を手紙にすると
このような形になります
あぁ、ミクロネシアに旅に出たい ★★★★★
中島敦、実は高校の教ç§'書に載っていた「山月記」ã-か読ã‚"だã"とがなく、33歳で夭逝されたã"とも知らなかったのですが…。ã"ã‚"なに面白い本は、ä¹...ã€...です。

挫折感ã‚'持ちつつも高ç'šå®˜åã¨ã-てèµ'ä»»ã-たå-æ'‹è«¸å³¶ã€‚その島ã€...ã‚'è¦-察巡回ã-ながら、遠くæ-¥æœ¬ã«æ®‹ã-てきた妻子宛て綿ã€...とç¶'られた私信と、å-島の伝説や自らのä½"é¨"ã‚'もとにã-た限りなくルポルタージュにè¿'い創作から、ã"の本は構成されています。

「山月記」の作風から、漢詩ã‚'中心とã-た博学でクールな知性の人、というイメージが強かったのですが、ã"ã"の私信では弱æ°-も見せるは、愚ç-'も出るは、息子への溺愛ã‚'隠そうともã-ないは、と、とても人é-"くさいå'面ã‚'知り、作家の個性にも、とても親è¿'感がもてまã-た。

å-の島ã‚'愛する「æ-...行è€...」は、å¿...読ã!!€‚また「大東亜å...±æ „圏」あたりのæ­'史ç "究è€...にも欠かせないæ-‡çŒ®ã ã¨æ€ã„ます。