インターネットデパート - 取扱い商品数1000万点以上の通販サイト。送料無料商品も多数あります。

中島敦全集〈2〉 (ちくま文庫)

価格: ¥1,155
カテゴリ: 文庫
ブランド: 筑摩書房
Amazon.co.jpで確認
軽妙な作品が多い。 ★★★★☆
目次

南島譚
・幸福
・夫婦
・鷄
環礁
・寂しい島
・夾竹桃の家の女
・ナポレオン
・真昼
・マリヤン
わが西遊記
・悟浄出世
・悟浄歎異
古俗
・盈虚
・牛人
過去帳
・かめれおん日記
・狼疾記
日記
書簡

作者のパラオでの見聞を元にした『南島譚』が大当たりだった。
明るく軽妙な小話、といった感じの短篇集である。現地の怪しい老人との交流を描いた『鷄』は白眉だと思う。
『環礁』も良い。こちらは物語性がやや薄く、現地での直接的な体験記といった風情の作品である。

『わが西遊記』『過去帳』は、作者の一貫した「世界に対する不安」が見える作品である。
ただ悩み苦しむのみの話ではなく、一応の答えも導き出されている。
四篇まとめて読むとより分かり易い。問いと答えが、形を変えて繰り返し述べられている。

『古俗』は中国ものの小話二篇。どちらも軽いノリで読める。
『牛人』の不気味さが個人的にツボに嵌まった。

そして本の後ろの方に収録されている日記・書簡も良かった。
等身大の作者像がよく伝わり、ホロリとさせられることしばしばであった。
コクがあってキレもいい ★★★★★
 「南島譚」作者が実際に出張したこともある南洋諸島を舞台にしています。当地の民話もあれば、体験談らしきものもあり。「光と風と夢」より面白いかも。
 「環礁」やっぱり南洋での作者の経験を書いたエッセイ的文章のようです。私は特に、のんびりとしたよしなしごとを書いた「真昼」が好きです。
 「わが西遊記」これもすぐれています。漢文の渋みとユーモアがみなぎりにみなぎっています。特に「悟浄出世」がいいです。
 「古俗」これも上記と同様中国ものです。この中の「牛人」は、どこか内田百閧フような不気味さが漂っていいですねえ。
 「過去帳」このうちでは、特に「狼疾記」。262ページには、ウィトゲンシュタインか構造主義の説を先取りしたような考えが記されていて、びびりました。
 ゆたかな教養と感性に裏打ちされた中島敦の文学は、コクがあると同時にキレもあります。残す価値ある文学だと思います。
印象的だったのは「悟浄歎異」 ★★★★★
特に印象的だったのは「悟浄歎異」。西遊記を題材にした小説です。沙悟浄が孫悟空や三蔵法師の人物について語るという形式が採られています。何も考えていないようでありながら思索を行動にまで昇華させた悟空と、どこまでも内に内に思索を深めていく三蔵の対比は見事としか言いようがありません。そして、全くの対極にあるふたりが、人生を必然であり自由であると考える、その一点においてのみ一致しているという面白さ。小説というのは人物をここまで表現できるのかと思い知らされるような作品です。
必読! ★★★★★
学生時代、臆病な自尊心に共感を寄せ、才能溢れる李徴に自己を重ねながらも、それが僭越ではないだろうかと悩みに悩んだ方は多いのではないでしょうか。 中島敦の作品には、この“弱気”や“恐れ”といったものが常に暗い影を落としています。 哲学に溺れた結果、それに対する不信感を持つに至った悟浄、自己卑下のもとでいじけた生活を送る三造など、李徴の他にも魅力的な人物は尽きません。主人公に共感つつ、絶望しつつ、南洋からの手紙には心温まりつつ、中島敦の非凡さに圧倒される全集です。
文庫本3冊で全作品が読めるのでぜひ買って欲しい ★★★★☆
この巻に収録されているのは、前半が以下の小説群。
・わが西遊記
・南洋を題材とした短編群
・古俗
  これは、「盈虚」「衛の荘公」「牛人」「魯の叔孫豹」という中国短編歴史小説群
後半は、彼の日記と書簡。