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岬にての物語 (新潮文庫 (み-3-26))

価格: ¥580
カテゴリ: 文庫
ブランド: 新潮社
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やはり非凡だよ!! ★★★☆☆
三島由紀夫、岬にての物語ほか短編がおさめられている。この本の中の岬は、鷺原は、千葉県の鵜原の岬のことだ。この本を読んだのち、かの地へ行くことになった。そして、改めて、読み返すと、やはり三島の細かい情景の描写力や言葉使いには非凡なものがある。語彙も豊富だ。辞書にたびたびお世話になった。三島由紀夫は本当に非凡であったことを感じさせてくれる。
他の作品との連関――菊田次郎と事件に対する作者の姿勢―― ★★★★★
戦前から戦後にかけて著された13編の作品の内には、他の作品と連関するものがある。例えば、「火山の休暇」は『ラディゲの死』に収められている「旅の墓碑銘」と同様、旅人菊田次郎の話である。

また、「親切な機械」は或る一事件を素材にしているのだが、その結びのパラグラフは奇妙だ。そのパラグラフはそれまで扱われてきた事件と全く違う事件の記事を紹介するだけのものであって、それまでの事件の結末はそのパラグラフの前で既に落ち着いているのである。したがって最後のパラグラフはまるで蛇足のように付け足されている。それは、事件というものに対する作者の姿勢を表していると言えようか。いみじくも、後記に「事件も古典と同じように、さまざまの語り変えが可能である」と記しているけれども、事件はそれを一つの事象として見なすとき、それまでの物語の世界から離れてたちまち陳腐なものになってしまう。その二重性を孕んだ性質を、何の脈絡のない事件を最後に羅列することで際立たせているのである。ところで、事件を素材に描かれた別の作品に『真夏の死』がある。その主題は、主人公朝子の事件の克服であるが、そこには事件を虚構化するべきかの問いが絡んでおり、それはつまり、事件を語り変えることと同義なのである。
優れた短編作家 ★★★☆☆
三島由紀夫の二十歳前から、四十歳にかけての短編集です。率直に言って、難解なものが多かったですが、「岬にての物語」や、最後に収録されている短編など、飛びぬけて面白いものもあり、それだけでもこの本を読む価値はあると思います。解説にも書いてある様に、三島由紀夫が優れた短編作家であったことを知ることのできる本です。