内容は、視覚原理に基づいたレイアウト技法や図解、見出し線や文字サイズを変えるテクニックを中心に、相手にうまくアピールできる表現方法を解説している。また、良い例と悪い例も挙げられているので、理解しやすく納得もできる。コラムでは、知っていると便利な情報や知識を得られるようになっている。1ページ1項目を原則としており、内容が独立しているので拾い読みしてもよいだろう。
全体の構成は、第1章「読み手に訴えかける文書を作る」、第2章「紙面レイアウトの技術」、第3章「デジタルプレゼンの資料作成」、第4章「デジタルプレゼンを企画し実行する」、第5章「図解の技術を活用する」、第6章「ビジュアル要素を上手に使う」、第7章「Webの特性を生かすビジュアル」の全7章。巻末には「付録1」として、連絡文書、ビジネスレター、報告書・提案書、ビジネス文章などの各種フォーマットがある。「付録2」ではタイトル周辺のデザイン、「付録3」ではWebページの代表的なレイアウト、「付録4」ではグラフの具体例、「付録5」ではオーソドックスな表から変化に富んだ表まで、「付録6」では階層関係、相互関係、拡散・収束、循環、分岐などに分類して、概念図の作成のしかたを記している。プレゼンのバイブルとして持ち歩けば、新入社員でも相手を説得させるプレゼンの極意を学んでしまえるはずだ。
本書はウィンドウズの環境下で、PowerPointなどMicrosoft Officeを使うことを想定して記述されているが、アプリケーションに依存している部分はごくわずかなので、他のアプリケーションを使っていても理解できるだろう。(松田俊彦)