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血税空港 本日も遠く高く不便な空の便 (幻冬舎新書)

価格: ¥798
カテゴリ: 新書
ブランド: 幻冬舎
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なんの提言もなしかい? ★★★☆☆
ルポルタージュであれば良くまとめられているとおもう。
こういうのが本当のドキュメンタリーなのかもしれないが作為がないとはいっても、他国(アジア地域)との比較ばかりを引くだけで、日本の空港がいかに見劣りするかといったような記事ばかりが目立つ。国内に90の空港があるというが、日本をアジアに置き換えてみればわかるがアジア地域内で「オラが国こそがハブ空港だ」とそれぞれの国が名乗りを挙げ、ハブ空港の覇権争いをしているということは国内の空港建設ラッシュと意味を同じくしていないかという疑問が絶えずつきまとった。
アジア地域内でスポークの役割を担うという国がないことが不思議で仕方がなかった。これこそが空港という事業が国の威信をかけてのお祭り騒ぎであることを如実に表してはいないか?

第一回目の事業仕分けで「科学インフラ」に使われる予算が仕分けの対象となり大騒ぎであったが、これこそが今の日本が陥っている「過去の栄光」にしがみついている姿であろう。科学技術にしても国内の空港の数や日本がハブ空港としての役割を果たす事にしてもそうだがアジアで覇権を取る事に今だ拘り過ぎていないか?ということである。
科学技術の開発にしてもオープンスカイであってもアジアの中で日本の役割をもっと身の丈にあったものとして捉える事ができないのがいまの不況風を吹かせているような気もする。
9段階の航空自由化の態様のなかで日本の役割とすれば7、8、9段階を担えばいいのではないか?「日本にハブ空港はいらない」と元運輸事務次官の黒川氏が言ったように筆者もそうおもう。
国内の空港がアジア地域のハブの役割を果たすことや、海外から荷物や人が流入することが経済効果を与えるというのは今だ発展途上にある国の考える政策だとおもうのだが、過去の空港行政で冒した間違いの同じ轍を、国際・アジア地域内でまたも踏むのかという懸念が残った。
ずさんな日本の航空行政がわかる新書 ★★★★☆
JALの問題で明らかになったずさんな日本の航空行政がわかる新書だと思います。空港を作れば安泰というわけではなく、作ったあとどうやってサービスを向上させ、利益を上げるかということが大事なのではないか。利用者の立場に立っていないので、使い勝手の悪い空港になっている。

現状についてはよくわかったが、どうやったら解決できるかということも記述されるといいかなと思う。無駄はどんどん削ってほしいが、地方の空港問題に関しては、需要が少ないからといって、簡単につぶすというわけにはいかないだろうと思う。能登空港みたいにもう少し工夫してくれたらいいと思うのだが。
路線減便・廃止、空港開港、経営難は続く。 ★★★★★
JAL危機、ANA赤字、静岡、茨城、関西国際、伊丹等々の情報に、日本の航空行政、業界、国内空港の現実、具体的問題点の把握と整理に役立つ書だ。少なくとも我々のような航空行政門外漢には問題の本質についてよく理解させてくれる。09年6月4日に富士山静岡空港が開港し、来年の10年3月11日には98番目の茨城空港が開港予定だ。大変な時期に難儀なことである。島嶼部を除き、本州や九州にこれだけ多くの空港、搭乗率保証までして乗客不足不採算の補填、アジア諸国carriersの就航頼み、空港建設に後付け説明内容の不可思議、殆どの空港の赤字実態、本当に驚きと情けなくなる。地方自治体の悲願がそうさせたのか、政治家の強い要請介入か、空港作りが目的化、まず建設ありき。活用策は後付けで考え、計画性は欠如していることには呆れ返る。空港建設に後押ししてきた社会資本整備事業特別会計空港整備勘定というプール制特別会計の存在。これまで安定的であった二国間航空交渉のreciprocal路線開設から、OpenSky政策で採算だけの就航や撤退が簡単自由な現在で、地方空港には特に国際路線が就航されない。因みに空港は、国交省管理の一種空港(羽田、伊丹、成田、関空、中部)、二種A(新千歳、福岡、那覇等主要19空港)、地方自治体の二種Bと三種、防衛省(小松、茨城)に分類される。この中で基本施設段階で黒字は、新千歳、中部、長崎、宮崎、鹿児島。地方自治体管理の58空港中、53空港が07年度赤字の由。一例で関空の07年度、航空関連収入が461億円、しかし支払利息が何と227億円、空整特会から90億円が補填されている。関西3空港(関空、伊丹、神戸)と共に、北部九州3空港(福岡、北九州、佐賀)も非常に厳しい。一方で唯一の優等生は「能登空港」であり、懸命の努力と経営の創意工夫、発想の転換がキーと。
もう日本に「空港」はいらない―「空港行政」の大胆な転換を ★★★★☆

 明年(2010年)3月、国内で何と98番目(!)となる「茨城空港」が開港する予定である。そして、ご多分に漏れず、赤字が不可避の状況らしい。今年6月、すったもんだの末、開港した「静岡空港」といい、日本の「空港行政」は一体どうなっているのか? この疑問に答えてくれているのが本書である。道路、空港、ダム…日本における公共事業の問題点が新政権のもとでも改めて議論されている訳だが、たとえば当書でも事例として挙げている「関西国際空港株式会社」に対する160億円の政府支援についてはどうだろうか?

 本件に関しては、先の行政刷新会議の「事業仕分け」で「伊丹を含めた抜本的解決策が得られるまでは政府補給金を凍結」(第1WG)という評価結果が出されている(同会議HP)。この評価は、関空、伊丹、神戸の「関西3空港問題」を否が応でもクローズアップさせ、橋下徹・大阪府知事は、こうした情勢に合わせ、将来的に伊丹空港の「廃港」を公言、併せて「普天間基地移設問題」でも微妙な発言を行っている(12/1産経ニュース)。特に、一見唐突な「普天間」への言及は、神戸空港の転用を念頭に置いたものであろう。

 いずれにしても、日本の航空行政は転機を迎えており、「オープンスカイ」や「アジア・ゲートウェイ構想」への対応はもとより、道路と同じような“プール制”による「特別会計」を“打ち出の小槌”とした、無計画な「空港づくり」から脱却すべきときに来ている。既に本年9月27日には、前原誠司・国交相が社会資本整備事業特別会計空港整備勘定(旧空港整備特別会計)を抜本的に見直す意向を示しているが、命を繋ぐ離島空港はともかく、赤字を垂れ流す地方空港については、廃港も含めた大胆な政策転換が求められる。
無駄と迷走のオンパレード ★★★★☆
国土交通相が羽田空港の国際ハブ(拠点)空港化構想を表明し、一方でJALの経営再建が世間をにぎわせている。急展開を見せている日本の空をめぐる動きからすると、既に一部古い情報になりつつあるが、このようなニュースの背景を知る上で、本書はちょうど手ごろな一冊になっている。

それにしても、読んでいて、ちょっとやりきれない気持ちになる。我が国の航空行政は、無駄と迷走のオンパレードである。しかも、特別勘定という仕組みに守られ、ほとんどが赤字とみられている全国で99もある空港の個別の財務状況はほとんど明らかになっていない。そして、あきらかに世界の潮流に遅れをとっている。また、国際会議の開催数と国際空港との関係は、この問題が日本国の国益や幅広い分野にも影を落としている可能性を感じさせる。

航空行政に重要な役割を果たしている官僚達にインタビューするなど、こつこつ取材して真摯にまとめている。さらに、韓国やタイの空港関係者にも取材をしている。後者では、仁川空港もソウルから遠いなど磐石ではなく、実態としてもハブとまでは至っていない状況も語られている。また、空の自由化は、中国などの激安航空会社の脅威にさらされる可能性を示唆している。

官僚主導の無能ぶりで印象的だったのは、地方空港の乱立だけではない。ルクセンブルク空港からの貨物便の関空への乗り入れを許さず、代替となった小松が大賑わいとなったというのも皮肉で印象的だった。