著者によると、一連の大手金融機関の破綻により、日本の金融システムへの動揺は続いているが、ひとたびタックスヘイブンをはじめとした海外に目を転じれば、まったく違う風景が見えてくるという。そして、外為法改正から5年を経た現在では海外投資をめぐる環境は大きく変化しており、最近では留学を目指す学生や海外居住を考える人たちが積極的にオフショアの金融機関を利用するなど、その裾野は確実に広がっているという。
本書ではその海外金融機関を利用する方法が、オフショアバンク編とオフショアファンド編の2部構成で解説されている。細かな口座開設書類の内容から、送金方法、インターネットバンクの操作方法、オフショアファンドの検索や申込書の書き方、小切手の使用法に至るまで、詳しい図解入りの海外金融機関利用マニュアルになっている。
英文金融用語の意味の解説や、インターネットホームページの操作方法の丁寧な解説も含み、マニュアルの完成度が高く、海外金融機関利用が初めてという人のみならず、海外投資のベテランにとっても、現時点で、海外投資に関するもっとも詳細なマニュアルとして利用できるガイドブックに仕上がっている。(桜田清二)