グローバル金融を理解する上で欠かせない一書
★★★★★
タックスヘイブンの役割、影響力を包括的に理解する上で格好の書だ。世界経済を必要以上に不安定にしている「規制を受けない投機資金」が、タックスヘイブン国を隠れ蓑に、ますます増殖している。金融自由化の美名の下、金融ノーハウで一歩先んじる米英をはじめとする金融強国およびその影響力化にあるIMFがこの流れを支持し、加速してきた。その投機マネーは、どこにどれほどあるのか、タックスヘイブン国の秘密主義のおかげで、その実態は誰にもわからない。タックスヘイブンは、単に世界経済の安定を脅かしているだけではなく、莫大な資産隠匿、脱税の温床でもある。なぜ世界的にこれを規制しようとしないのか? これを利用して莫大な利益を得ている既得権者(国、企業、富豪など)の抵抗が大きいためだ。最後に著者は「事態は動き始めている!」と書いているが、事態を動かすには、世界的な社会運動の必要性が示唆されている。翻訳もこなれていて読みやすい。
tax haven
★☆☆☆☆
タックスヘイブンとは税金天国(heaven)という意味ではなく税金回避地という意味である。
本の内容はタックスヘイブンを取り巻く歴史的な環境の記述、各国の対応がダラダラと記載されているだけ。
タックスヘイブンを用いた租税回避について学習したい人にはためにならない本である。
簡明なタックスヘイブン論
★★★★☆
橘玲『黄金の扉を開ける賢者の投資術』で引用されていたので、さっそく買ってみた。思想的な立場からすればタックスヘイブンの増殖に批判的なのだろうが、記述は中立で好感が持てる。
「タックスヘイブンはグローバル経済の鬼子ではなく、世界資本主義の誕生以来、成長の駆動力として経済に組み込まれていた」との指摘は卓見。
タックスヘイブンについての理解が深まる
★★★★☆
タックスヘイブンについて、また税制について
全くの初心者の私にとっては、
非常に興味深い内容でした。
真実が見えないこの領域において
できるだけ客観的に加工という筆者の姿勢も感じられました。
タックスヘイブンについて、
なんとなくイメージは持っているものの
実際のところどのようになっているのか
わからない
といった方には理解が深まっていい本だと思います。