数年前まで、公式解説書は初級者にはとっつきにくい本でした。翻訳書だったこともあって解説が生硬で、図解の好きな日本人にはなじめなかったのです。しかし本書は日本市場向けに十分こなれた編集となっており、初中級の総合解説書としては最もお勧めできる一冊に仕上がっています。
本書は凡百の類書と一線を画し、Word の正しい使い方をきちんと説明しています。例えば、Word 文書の体裁はスタイル機能を用いて設定します。無計画な書式の設定も可能ですが、本来の使い方ではない……。本書は説教臭を抜きつつも、順を追って読み込めば自然と正しい Word の考え方が身につくよう設計されています。また Word の設計思想を的確に捉えた構成のため、豊富な機能を効率的に学習できます。
初級者が最後まで一気に読むのは無謀です。まず6章までを読み、その後は目的に応じて勉強を進めるとよいでしょう。