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なぜフランスでは子どもが増えるのか -フランス女性のライフスタイル (講談社現代新書)

価格: ¥777
カテゴリ: 新書
ブランド: 講談社
Amazon.co.jpで確認
日本の少子化は家が狭いからだ、と言われているらしい。意外と当たっているかも。 ★★★★★
家族手当や、厚い社会保障で、少子化克服に成功した国、フランス。
というのが常識とされているが、本当のところは、どうなのか。
この本は、実体験を踏まえつつ、歴史にも遡って、この疑問に答えてくれる。
下手な大学教授らの研究書よりも、充実した内容になっていると思う。

一律の児童手当に、住宅関連の補助。最低所得保障制度もあって、
これでもか、というくらいの手当が出る。教育費も国家負担で、
大学もほとんどが国立で国家負担だという。

しかし、これらの対策は、第二次世界大戦直後に取られた政策だそうで、
気合いの入り方も、国民の納得度も違うのは、よく理解できる。

一方で、フランスは、子供を大事にしない、という予想外の事実も
明かされる。女性は、母親であることよりも、女性であることを望み、
そもそも「専業主婦」なる階層もいないという。

また、これは絶対に報道されないことだろうが、婚外子が多い、
ピルが処方箋なしで買える(高校の保健室で配っているらしい)
同性愛のカップルにも結婚に似た制度が用意されていることなど
も紹介されている。(私たちが不勉強なだけだが。)

少子化について考えたい人には、必読の書だと思います。
フランス社会と出生率 ★★★★★
著者はフランスの文化の特徴の一つとして「ミクシテ(混合社会)」を挙げます。

「ミクシテ」とは男女間においては色っぽい関係を維持しながら共生することだそうです。

これは「男女七歳にして席を同じゅうせず」のような文化の対極してとらえています。

この「ミクシテ」の伝統により女性は母親であるより美しい女性であることが求められ

それが却って「母親になる(心理的)負担感を軽くし、子供を産むことに抵抗がない」

という逆説になっているとのことです。

この部分は著者の経験と小説などから考察するエッセイ的なものだと思います。

また、カトリックは結婚を「神が一つにしたもの」として離婚を認めないので結婚に対するハードルが高く、

パクス(連帯民事契約=同棲)が一般的になり、婚外子が増え、巡り巡って出生率が高まったのではないかとしています。

日本でも、男女別姓、嫡出子と非嫡出子との権利の平等化等の議論が進んでいますが、

他国との文化的宗教的背景の差異はもっと考慮に入れるべきではないかと思いました。
女性が自立するための社会制度、子供を育てる社会的支援、すべてが一体となってこそ女性の自立や社会の幸福は成り立っていると感じる。 ★★★★★
フランス人を夫に持ち実際にフランスで生活している立場から見た生の姿を本にしたもので実に説得力がある。

かつてのフランスも親が結婚相手を決めていた時代もあるし、給与所得者が増えると専業主婦が普通であるという価値観からの恋愛結婚が主流であった時代もあった。
それが、今のようになったのは、働かなくては家計がやっていけなくなったからだという。
また、
いったん雇用したら解雇がなかなかできない社会システム。同一労働同一賃金が徹底され、失業しても社会保障がしっかりしている社会。ベビーシッターへの補助金制度。そして3歳から、公立の保育学校に全入できる教育制度。日本で言う大学さえほとんど無償に近い形で入学できる仕組み。さらには、男女が共同生活を始めるにあたり、結婚というハードルの高い制度に代わり、パクスというより緩やかな制度が主流になっている。
などなど、一人一人が安心して生活できるような社会制度の基盤をいかにしっかり作り上げていくかが、カギになると思われる。
 
本書のような、地に足のついた議論がこの国の少子化問題や女性の社会進出への大きなきっかけになって欲しい。

女性が自立するための社会制度、子供を育てる社会的支援、すべてが一体となってこそ社会の幸福は成り立っていると感じる。
冷静な筆致のフランス夫婦・育児事情。政策・制度への言及があればなお良し。 ★★★★☆
日本では事実に基づいて建設的に議論せず、「フランスの出生率が高いのは移民のせい」「非嫡出子への差別をなくせば子供は増える」という愚劣な都市伝説を粘着主張する向きが多いので、そうした意味で当書のような冷静に事実を確認するスタンスの本は貴重である。また、日仏の差異として男女の意識の問題を取り上げているのも好感が持てる。(政治的に偏向した人々は、どちらかの性別に責任転嫁したがる)

○フランスの高出生率における「移民要因」は非常に小さい
○フランスでは非嫡出子が増えはじめた時期に出生率が低下した事実あり
○フランスにはカップルを形成し易い(強要する?)文化がある
○フランス女性は、働かないと見下される(特に高学歴の場合)
○フランス女性は、働かないと経済的余裕を失う
○フランス女性は、日本と違って夫婦でも独立生計を強いられる

といった指摘は貴重である。詳しくは通読されたい。

惜しいところとしては政策と税制の問題に余り触れていない点である。
手取り給与の低さやCNAF(家族給付全国公庫)も記載して欲しい。
しかし全体的に、横田増生氏の著書よりは政治的に中立だと思う。