『イヴの眠り』本編の他、番外編を３編収録しています。
YASHA直後の日々と、ケンとルー・メイがハワイへ行くいきさつが描かれイヴ本編につながる『魂送り』。
カンボジアでのケンとルー・メイの出会いを描く『ハウメアの娘』。
マンガというよりは挿絵つきの詩のようなスタイルの掌編『真南風』。
３編とも、イヴ本編連載開始よりも前に発表された作品です。

『魂送り』と『ハウメアの娘』のケンはとてもかっこよくて、目がハートになります。
個人的には『ハウメアの娘』が一番好きです。
なんてことない話と言われてしまえばそうなんですけど、
気が強いけどかわいいルーと、朴訥で鈍感なケンの間に流れる空気がほほえましく甘い気持ちになりました。

YASHA続編の文庫最終巻。3巻で終わってしまったのが惜しいが、続編としてはこのくらいが適当なのだろう。ただ、雨宮ケミカルがその後どうなったのか気になるし、本当にもう同じ事は起きないのか、そしてアリサが将来子孫を残すのかも気になる。それと、「死鬼」はどのようにして「魂がない」と言われる冷酷な存在に育ってしまったのか。感情のある存在である以上葛藤はあるわけで、そこをもう少し読みたかった気がした。このシリーズでは十市が大人になった姿が見られたのがうれしかった。