このような趣旨の本は滅多にお目に書かれないのでありがたい。が・・・
★★★★☆
入門書として、教材として使うのに、非常にいいと思う。
ただ、範囲が広すぎるのをコンパクトにしたがために、1回読んだだけでは重要なところをスルーする危険もあるので、3回ぐらい繰り返し読みなおして、全体像を漏れなく習得するぐらいの意気込みが必要。
あと、せっかくここまでカバーしてるのだから2点ほど、含有化学物質管理(世界各国の化学物質規制等)と、事故情報(製造物責任法、消費者庁など)について、章レベルで言及してると、より良かったのに。という点が、少し残念な点。
生産管理システム構築の全て
★★★☆☆
生産管理システムの理念から始まり、全体の枠組み、1つ1つのコンポーネントの内容と丁寧に説明してあり、生産管理システムになじみのない読み手にもよくわかり、実際に生産管理システムに携わっている読者にも勉強になる内容である。また、従業員数30人未満の会社ではシステムの効果は低いと著者の経験から明快に言い切っているのもうなずける。できる事なら、著者の豊富な経験から各章毎に失敗談やエピソードまたはウンチクなどをコラムとしてビビッドに載せると本全体がもっと活気づくのではないか。星4つに少し欠けるところだが、切り捨てして3つとする。続編を期待したい。
SEだけでなく、ユーザー(経営者、生産管理担当者)こそ読むべき本
★★★★★
SEが現場を知らないために、あるいはユーザー側生産管理担当が自社の業務の特徴とニーズをうまくSEに伝えられなかったために、結果的に莫大な開発費を投入したにも拘わらず、使われない生産管理システム、注文書発行機能だけを使っているシステムが山ほどあります。自社の生産管理システム構築プロジェクトのメンバーが、SEに対して「自社の生産管理業務は現在こうなっている。但し、この部分だけは業務を改革してシステム化したい」と伝えるために、SEとのコミュニケーションを円滑にするためにも、この本を読むことをお勧めします。「ここにこう書いてあるじゃないか!」と伝えれば格好のコミュニケーションツールになります。この本は、工場の管理会計まで懇切丁寧に解説しているので、自社の会計担当も巻き込んで、経営にも役に立つ生産管理システムを構築するために、是非この本を読んで欲しい。
私は経営コンサルタントであり、SEとプロジェクトメンバーの間を仲介する立場にあり、要件定義の際、双方の思いを整理することが多くとても参考になりました。自分のクライアントにも是非薦めたいと思っています。
設計実務への悩みの即効薬として使える
★★★★★
本書は、まず生産管理の基礎概念・知識を全般的に解説しており、生産管理システムをこれから構築あるいは再構築しようとする実務者への最適なガイドになるだろう。それに加えて、外部設計の概要をデータベースの構造や具体的な項目レベルまでブレイクダウンしており、類書にはない実務的なテンプレートを提示している。これを使用することは、「生産管理システム」における機能設計領域の土台を組み立てる上での即効薬として効き目がある。初心者から中級レベルのSEまで、幅広い「生産管理」の実践的ノウハウ書としてすぐれた教科書・参考書と言える。
全体像を把握するのに最適!
★★★★☆
SEという職業は、どうしても自分の得意な分野に目が向き、全体像を把握しない傾向が強い。私も昔は上司から「とにかく現場へ行け!」と叱咤されたことが多かったが、その本当の意味が本書には記されている。考えてみれば当たり前の話である。それなのに、なぜか目をそらし続けている事柄に、本書は正面から切り込んでいる。生産管理システムの構築経験のあるSEには耳の痛い話、あるいは一種の寒さ(?)を覚える内容もあるだろうが、経験の浅いSEにとっては、1つのテンプレートとして活用しやすい構成となっている。筆者の熱いメッセージが伝わってくる。