中身を見てから…
★★☆☆☆
古代篇、彫刻篇、工芸篇、絵画篇に別れています。
掲載されている作品の解説は、初心者にもわかりやすいのですが…。
いわゆる有名どころの解説は少ないです。
それがこの本の良いところでもありますが、個人的にまずはそこも抑えてほしかった。
モナリザやミロのヴィーナスなんかは、写真紹介はなく、文中もさらっとふれられている程度です。
ついでに言えば、絵画篇の解説を主に期待していたので、そこも少し残念です(もちろんルーヴルは絵画だけではありませんが)。
どちらかというと2冊目のルーヴル的な感じがした。
もう基本はOKという人は是非。
有名どころについて知りたい方は、他をオススメします。
ルーヴル美術館の魅力を効率よく堪能するガイドブック
★★★★☆
ルーヴル美術館の魅力のエッセンスを本書で把握して、いつの日にか訪れる際の鑑賞の手引きにしようという思いで手に取りました。代表的な陳列作品を挙げればきりがありません。世界の宝ともいえる作品群ですので、何をどのように鑑賞しても素晴らしいわけです。
本書は、そんな広いルーヴルを訪れる人のために、鑑賞したいテーマにそって効率よく廻るコツとお勧めのルートが紹介されています。
筆者・小池寿子氏は、美学美術史を専攻した国学院大学文学部教授です。そんな専門家の知識と歴史的なエピソードが満載してありますので、作品の鑑賞だけでなく、その背景の歴史事情を読みながら理解できる仕組みになっています。
章だては、ガイド 精選!ルーヴル八十八宝めぐり(古代篇―3時間コース 古代エジプト美術、古代ギリシア美術、古代エトルリア、ローマ美術 彫刻篇―1時間コース 工芸篇―30分コース 絵画篇―3時間半コース 北方絵画、フランス絵画前篇 イタリア、スペイン絵画 フランス絵画後篇) コラム 八十八宝寄り道案内(古代オリエントへのいざない、中庭でフランスの栄華にひたる、タピスリーの魅力、フォンテーヌブロー宮殿に集った画家たち、モナ・リザの部屋 もうひとつの見どころ) グラフ(迷宮への入口、美の大伽藍1,2) ルーヴルものがたり(城砦から宮殿へ、ブルボン朝の栄枯盛衰、美術館誕生、二度の戦火をのりこえて) 裏ガイド ルーヴルの仕事師たち(館長、彫刻部門、イスラム部門、建築部門、技術部門、消防隊、絵画部門)となっています。
「フランスに行きたしと思えど、フランスはあまりに遠し」と萩原朔太郎が言っていました。時代は戦前と大きく変化し、比較的簡単にパリまで行けるわけですが、ルーブルの魅力は時代を超えて受け継がれていくのでしょう。
初めてルーヴル美術館を訪れようという人へ
★★★★★
定番の作品の解説だけで終わってしまう本とは違う、味のあるルーヴル美術館の探検本です。
観光客がこぞって見る定番の作品、以外からテーマを持って優れた作品を紹介しつつ、まるで自分がルーヴル美術館を歩いているかのようにイメージを作りながら読み進めていけます。
初めてルーヴル美術館を訪れようという人には、おすすめの一冊ではないでしょうか。