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ラスト.ワルツ―Secret story tour

価格: ¥1,365
カテゴリ: コミック
ブランド: 青林工芸舎
Amazon.co.jpで確認
文句無く評価は5つ星です ★★★★★
この作品に減点要素はまったく見当たりません。文句無く5つ星です。デビュー作にしてこの完成度は本当に驚きです。すでに「島田節」とか「島田的」ともいうべき独自の世界観を確立してしまっているのです。ぜひ自分の目でみてこの衝撃を体験してください。
エルドラド、ググりました ★★★★★
絵柄は独特で決して写実的ではありませんが、
ひとつひとつのエピソードに妙にリアリティがあり、話に引き込まれてゆきます。
パラレルに見えるそれぞれの物語がしだいに繋がり、
最後には一枚のタペストリーが仕上がるような卓越した構成力は圧巻です。
後の2作(『東京命日』『トロイメライ』)では、その構成の巧みさに一層磨きがかかっているように思いますが、
どれかを選べと言われれば、ラストへ向かう壮観さでこの作品を推します。
「物語る」ということ ★★★★★
本当にこれがデビュー作なんですか?
と、思ってしまうほどの完成度そして面白さ。厳密に言えば、
最初の章で新人賞に入選し、島田さんはデビューが決まった
わけですが、単行本デビューがこの本なわけで、もうホントに
舌を巻きます。スゴイなぁ。

副題にもあるように、このマンガは「物語る」ことをテーマと
しています。ガルシア・マルケスが「私は物語るために生まれて
きた」と言ったように、この人は「物語るためにマンガ家として
デビューした」のだと僕は思います。
圧倒的な語りに緻密な仕掛け。最初は独立したエピソードとして
呼んでいた物語たちがラストに向かうにつれて一つに繋がり、
壮大な「もう一つの物語」を浮かび上がらせます。

小説の世界には古川日出男がいて、そしてマンガの世界に島田虎之介
がいる。
この二人のような「物語」を紡ぎ、それを真っ直ぐスタイリッシュに
「物語る」ことができる作家さんたちが新しい時代を作っていくのだ
と思います。
何かを成し遂げることはなくても、すべての人生に価値はあることを語る作品 ★★★★★
 著者・島田虎之助が所属するサッカーチームには、ブラジル製の単車エルドラドNRa を乗り回す小林君というFWがいる。実は彼のバイクが生まれた経緯には20世紀の数奇な人類史が刻まれていた。そしてこのオムニバス漫画「ラストワルツ」の中では、様々な現代史を背負わされた名もなき大勢の人々が、不思議な力によって富士山のふもとへと引き寄せられていく…。

 書かれていることはもちろんフィクションなのですが、虚実ない交ぜの20世紀史を通して著者が描くのは、市井の人々のかけがえのない人生です。私たちが学ぶ歴史はともすると、偉大な発明家、策略をめぐらすに長けた政治家、名作を残した文豪、といった功なり名を遂げた偉人に彩られた物語になりがちです。しかし歴史に名を残すことなく逝った大半の人々にも、懸命に歩んだ一生があるのです。彼らと偉人たちとの間に命の優劣はありません。著者はこの作品集でそうした普通の人々の、埋もれてしまいがちな人生をそっと両の手のひらで掬(すく)う試みをしているのです。

 ヒロシマの被爆者である老婆がポツリともらす呟き。「どうして わたしだけ 生き残ってしまったのかねえ」。何十万という命が一瞬にして奪われた原子爆弾の悲劇にも生き残った老婆は、生きてあることに感謝するのではなく、自らの命に悔悟と負い目を感じる人生を戦後ずっと歩まされています。彼女のような名もなき人々こそが歴史を彩っているのです。この場面は、わずか3コマで描かれているためにえてして見落としてしまいそうになりますが、いつまでも私の心に残りました。

 この遠大で深遠な物語を紡ぎあげた島田虎之助という若き才能に接して、私は身震いせずにはいられません。

人生なんてしょせん夢みたいなモノさ ★★★★☆
人間は死ぬ瞬間に自分の人生のパノラマを見るという。
自分が今生きているこの世界はどこかのだれかのパノラマ
じゃないとだれが証明できるのでしょうか?
連作短編によるオムニバス形式のマンガですが、どこかで
ストーリーはつながっており、小川が大河となり海に注ぐ
ように、最終話で見事なフィナーレに統合される巧みな展
開となっています。サインペンで書かれたような個性的な
絵、歴史上の事実を引用して、どこまで本当なのか虚構な
のか判断に苦しむストーリー。すべてのお話に「人生」と
いうものを感じさせつつ重くならない技法。見事です。
宇宙ステーションに行ったガガーリン大統領の記憶に操縦
不能となったミグ15戦闘機の映像がフラッシュバックす
るあたりはよほど歴史に詳しい人しかわからないオチだと
思いますが・・・・。
本当に知る人ぞ知る隠れた傑作だと思います。
聞いたこともないような出版社だったし、書評で取り上げ
られなければ、存在すらしられなかったかもしれません。
最近の商業マンガとは一線を画す作品だと思う。
次回作も是非読みたいと思います。