惚れた馬がいた、賭け続けた馬がいた、酒を飲まずにはいられない馬がいた
ナリタトップロード、ウイニングチケット、ダンスインザダーク、ステージチャンプ、ライスシャワー、イナリワンなどなど、ターフを湧かし、いつまでも心に残る強豪馬たち。そんな名馬たちと、思い出せば短い一瞬、人生の輝きをともにした人々がいる。20頭の名馬を通じて、栄光のレースを通じて綴った、競馬ファンに贈るエッセイ。
●吉川良(よしかわ・まこと)
1937年、東京生まれ。芝高等学校卒、駒澤大学仏教学部中退。1978年『自分の戦場』で第2回すばる文学賞受賞。1979年『八月の光を受けよ』で芥川賞候補、『その涙ながらの日』で二度目の候補、1980年『神田村』で三度候補となった。1999年JRA馬事文化賞、ミズノスポーツライター賞優秀賞受賞。