決して他人事ではなく
★★★★☆
ジョニーデップ初の監督、脚本(共同)、主演をこなした映画です。
スナッフ映画の製作をしている、マッカーシー(マーロン・ブランド)が、ラファエルに死生観を語るシーンでは、ブランドが感極まったように言葉に詰まるシーンの素晴しさには、画面を見入っててしまいました。
「家族を救う為に、命を捨てる事が出来るのか?」という、映画としても重いテーマを、陰湿に見せない明暗を工夫している演出には感心しました。映画とは、総合芸術なのですが、ジョニー・デップの眼で観ているような気持ちになりました。1人で秘密を抱えてきたラファエルが、怒りを爆発させる暴力シーンは、観ている者を解放させるような気持ち良さがありました。神父との告解室でのシーンは、緊張感があって、素晴しいです。
ジョニーが、何故この小説を映画化したのかは、彼の血筋(曾祖母がネイティブ・アメリカンの血をひいている)と、あとは、10代の頃に経験した両親の離婚からきているのだと、わたしは思っています。ブレイブとは、「勇気」をあらわす意味のほかには、「ネイティブアメリカンの英雄」という意味もあるそうです。