人間の可能性
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人は、自らの人生を自ら選び、この世に生まれてくるという。
それにしても、何という厳しい生であろうか。
この人の乗り越えた苦難に比べたら、日本で毎年自ら命を絶つ3万人以上の人は、ただの甘えと言われても仕方ないのではないか。世にある、病苦も、貧困も、孤独もすべて、絵空事ではないか。
この世の生は、ここまで重みを持つものなのである。
時として、日々の暮らしの中で、私自身の心が傲慢に、利己的に、不遜に、安逸に流れそうになるとき、この久子さんの本を開く。
そして思い出す、ここまで人生を生き切った女性がいたこと。ここまで、自分の生を自ら輝かせることができるということ。
久子さんの生き様を、例えようもなく貴重なものとして共有させてほしいと思う。