盛り沢山でお得な内容
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東海道の53の宿場と起点・終点の江戸日本橋、京都三条大橋の55か所を、広重の版画に各宿場の名所案内を加えて紹介する構成になっています。
広重の東海道五十三次の決定版として名高い「保永堂版」はもちろん、「行書版」、「隷書版」も全てカラーで収録されているうえ、巻末には「五十三次張交図会」も収録されているので様々な広重の五十三次が楽しめるお得な内容になっています。それぞれの図面を見比べてみるのも面白いでしょう。また、それぞれの図面について簡潔かつ適切な解説が付されているので、各作品作の理解を深めるのに役立ちます。
広重の画集として楽しむもよし、実際に現地に行ってみるもよし、本書をもとに様々な楽しめると思います。
また、江戸期の道中図や旧国ごとの地図も収録されていて、資料としても充実しています。
強いて難点を挙げるなら、印刷の加減で現物よりどぎつくなっている色があると思われる点ですが、それを割り引いても十分お薦めできる内容です。
てくてく旅の友
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浮世絵はとても美しい参考となる浮世絵もありさらに現在の地図と古地図を照らし合わせて見ることができ説明もなかなか良い、てくてく旅の友ともなります。
広重作品の立体的教科書
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人文社の古地図ライブラリー「広重シリーズ」は各作品の網羅性、古地図+現代地図の対比=地理的なロケーションと描写角度、時代背景説明、作品にある広重の想い、現代の現場写真などが掲載されており、各テーマを一冊で俯瞰できる内容になっている。大型本なので肝心の広重画も適正なサイズで掲載されていて醍醐味を失っていない。特に現在の観光情報とセットで作品紹介が充実する「広重の三都めぐり」と併せてお薦めしたい。京都、大阪、東京観光において楽しみが倍増することは間違いない。出版年が1990年代後半と古いが内容が内容だけに全く色あせない永久保存版でと思う。