daughterの物語
★☆☆☆☆
「少女」概念が、daughterのそれにとどまり、girlの多元性、多様性には目をつぶっている。
一国史観で、近代の社会史が分析できるのだろうか。
そもそも社会史を標榜するのであれば、総動員態勢に一義的に「少女」文化が収斂するなどという単純な国民国家主義批判の図式を借用することに矛盾がある。
予見に向かってイデオロギー的に資料を解釈するという、旧弊な手法では、20世紀の社会史、文化史の分析はできない。
戦前までの少女
★★★☆☆
「少女」といっても扱っているのは戦前までで「戦後の少女」の
事は書かれていません。
最近の少女の事だと思って手に取ったので期待はずれでした。
かわる「少女」の語りかた
★★★★★
「少年」でも「子ども」でもない存在としての「少女」。
「少女」誕生から1945年までを通したその分析には、
まず素直に「面白い」でした。
テーマ選定の妙であったり、ジェンダーとの交差であったりと、
学術書としての「面白さ」もまたGOODでした。