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ジョン・レノンに恋して

価格: ¥2,940
カテゴリ: 単行本
ブランド: 河出書房新社
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ジョン・レノンという夫、父、男性 ★★★★★
一気に読んでしまいましたが、本当に素晴らしかったです。

これを読むまでのジョンのイメージは大きく変わりました。

シンシアから見たジョンがいかに魅力的で、複雑で、難しい男性であったのかがよくわかります。

通常の感覚では考えられない事が起こっていた時代・環境なのかもしれませんが、それでも夫として父として、シンシアとジュリアンへの仕打ちはひどすぎる。

それでもシンシアはジョンを愛し続けているというのは驚異です。

もしジョンが死んでいなかったら、どんな人間関係が築けていたのかと思うと惜しくてなりません。



ヨーコとショーンの語るジョン、シンシアとジュリアンの語るジョン。
それを両方知らないとジョンという人は見えてこないのでしょう。

それを知る意味でも必読の1冊。

ジョンとシンシアの青春時代や裏表紙の若い2人の写真は本当に素敵です。

本文の最後をしめくくるシンシアの一言がある意味すべてを物語っていて、シンシアにしか言えない一言である気がします。

シンシアレノン自身への癒しワーク? ★★★☆☆
ジョンレノンのファンとしては、一読の価値ある非常にお薦めの本です。
特にジョンレノンを語る上で特に新しい側面というのはないのですが、ただ前妻の書かれた若かりし頃のジョンレノンの姿はどこか初々しさを感じました。

本書に書かれてあるシンシアとジョンの関係についてですが、私が受けた印象は、一種典型的なDVカップルの一組という感じでしょうか・・
DVとしても知られたジョンですが、本書からは、彼自身の心の傷を抑圧することで現れるDVとそれに自分の愛で精一杯応えようと奮闘するシンシアに、どこか共依存的なものがベースになっているように感じて仕方ありません。本書には、ジョンの彼女への愛がどれほど本物であったかを訴えるような文面がよく出てきます。それは当時は事実であったかもしれません。ですが、どうしてもそれが私にはシンシアの現実逃避のように見え、かえって痛々しく見えてしまう時もありました。

シンシアは妻として主婦として素晴らしい人であったということはよく伝わってきます。きっとジョンも一生懸命それに応えていたのだと感じます。ですが、ジョンの本分はアーティストです。言葉は悪いですが、少々イッちゃっているヨーコと出会った瞬間、それまで抑えていた本来の彼の何かが爆発してしまったのではないでしょうか?結果、ジョンはシンシアではなくヨーコを選んだ・・・、それほど彼の魂はヨーコを欲していたというだけだと思います。本書にはシンシアの愛する人をヨーコが彼女から奪ったというような表現がありましたが、誰も人の心を誰かから奪うことなど出来ません。人は誰かの所有物ではないのですから。こういう部分に、シンシアの心の傷がリアルに表れているように見えます。

147ページにこんな記述があります。
『ジョンが生涯に出会ったなかでも、私はだれよりも変わらずにい続けた人間だったと思う。ジョンに対して何も要求せず、批判もせず、命令もせず、しかも無条件でジョンを愛した唯一の存在だと思う。』

人は、成長して変わっていく。ですがシンシアの心は、昔の二人に執着することでを前進することなくジョンを繋ぎ止めようと必死だったのでは、と疑問を抱きます。残念ですが、結果としてジョンが取ってしまったシンシアへの極端な仕打ちは、彼女との決別だけでなく、まさに過去の自分との決別であったとも言えるのではないでしょうか?

ジョンと別れてから35年以上も経って書かれた本にしては、当時の内容に色褪せた感じがなく、シンシアにとってどれほどその別れが彼女の心を傷つけ、またそこから癒えることもなく長年苦しんできたのかが伝わってきます。ジョンと別れてから2度の結婚の失敗を考えると、疑問の余地もありません。これについてだけは、ジョンのファンである私も、もっと誠実に対処する方法はいくらでもあっただろうに・・と残念に思わずにはいられません。特にジュリアンに対してはなおさらです。

本書を読むことで、ジョンとヨーコの見方が変わる人もいると思います。
色々な感想はあるかとは思いますが、読む際には、これも当事者の一人が主観で書いた本であるという客観性だけは失わないで欲しいと思うところです。

現在ヨーコもジョンについて5年かけて本を書くといっています。
その内容がとても楽しみです。







Love Cynthia ★★★★★
今まで読んだビートルズ関係の本が、一気に色あせてしまうような素晴らしい内容の本でした。今までの認識が、ハッキリしたり、がらりと変わったり・・・

口やかましいけど、愛情深いというイメージだったミミおばさんが、実はかなりの暴君であったのは大変意外で、また、離婚に至るまでのジョンとヨーコのシンシアに対する仕打ちというのは、卑怯で、冷酷で、まるで計算された感もあり、背筋の凍る思いです。

弱い立場のシンシアとジュリアンを苦しめながら、ジョンとヨーコが訴え続けた「愛と平和」とは、いったいなんだったのだろうかと考えさせられる思いです。

シンシアとジュリアンのためにもぜひ読んでみてほしい一冊です。
とにかく読んで欲しい! ★★★★★
ジョンに限らずビートルズの好きな方、読んで決して損はしません。
いまだからこそ語られる真実の数々、ヨーコの言い分が不明な分を何割か差し引いて読んだとしても、シンシアに対する当時のジョンとヨーコの仕打ちは吐き気を覚えるほどです。

高校生の時にジョンの死に遭遇し、名曲「ウーマン」を多くの方と同じようにヨーコに当てた曲と信じている私も、この曲がヨーコは勿論、シンシアやミミ、母親、妹達すべてにあてた曲であって欲しいと今は思っています。

たまたま続けてパティ・ボイドの「ワンダフル・トゥデイ」も読みました。この2冊は両方読んだ方が断然面白い!!
知られざるジョン・レノン ★★★★★
序文は息子であるジュリアン・レノンが書いていて、この文章を読んだだけで一気に引き込まれてしまった。

世の中のたいていの人と同様に、私もジョン・レノン=オノ・ヨーコというイメージがすっかり定着していて、前妻シンシアの存在についてはほとんど何も知らなかった。

だからこの本を読んで、ジョンとシンシアの出会い、恋愛、結婚、そして離婚までのストーリーは、かなりの衝撃を受けました。

とくにジョンがヨーコと出会ってからの、シンシア(とジュリアン)に対する仕打ちはあまりにもひどく、同情せずにはいられません。

「世界に平和を、愛を」とメッセージを送っていたジョンとヨーコだけど、その影にはシンシア(とジュリアン)という大きな犠牲もともなっていたんだなぁと思う。