デイヴィッド・リンチの作品の中で一番好きです。

ミステリアスでエロティックでダークでホラーで、もう凄く良いです！

・・・言葉ではなかなかこの映画の良さを語れないです。

一度ご覧あれ。

初見（遠い昔）のときは印象があまりよくなかった。
当時のビデオテープの画面では粒子が粗く、美しく怪しい闇が十分に味わえなかったと覚えています。（そのことにストレスを感じていたことも覚えています）
でもアボリアッツ映画祭でグランプリということで気になる存在でした。

その後、ロストハイウェイでリンチ映画に復帰し、いろいろ観ていくうちにこの映画もＤＶＤで久々に再見。すると、なかなか楽しい。
ストーリー展開（割と単純）や謎解き（特に大きな謎があるわけではない）を楽しむ映画ではなく、隠されたものを（まるでかさぶたを剥がすように）のぞいていく過程や雰囲気を楽しむ映画のようだ。
最近の作品の過激さに比べると相当におとなしいのだが、リンチは実質的にこの映画からスタートしたと感じられる興味深い作品。

ソフトにはドキュメンタリーなどが付属し、楽しかった。　…自分は２０年たってやっとこの映画を理解し始めたみたいだ。

ブルーベルベッドの歌がとてもセクシーで忘れられない
それだけで５点

ちなみに
ストーリーというか物語がないとだめな人にはリンチ映画は向かないけど、この映画は試してみるにはまだ入りやすいとは思います。
マルホランドドライブもいいけど、あれはハリウッド映画界に対する批判的視線が感じられて、その点の表現に違和感があるかも

映画のお話とか意味を楽しむのではなく、映画自体を楽しむという心構えが必要かな

退廃的で耽美な、独自の世界観を求めるのなら、
ましてデビッド・リンチにそれを求めるのなら、
この「ブルー・ベルベット」がまずは入門編として最適でしょう。

話は意外とシンプル。
謎が謎を呼び・・という展開はいつも通りながら、
それでもところどころ怪しさの演出も光る。

といいつつも、一番印象的なのはイザベラ・ロッセリーニのヌードだったりするのだけれども、
やっぱりリンチを語るには外せない作品であることは確か。

デビット・リンチに何を期待するかでこの作品の評価は変わるように思います。個人的には、リンチ作品の中でも、
マルホランド・ドライブやロスト・ハイウエイのような時空がねじれまくったストーリーが好きなのですが、
この作品はそうではありません。リンチの作品には、シュールな世界を表現しつつも、時空のねじれはなく、
それなりに時間と空間がまっとうに進んでいく話があり、この作品はその部類に入ると思います。なので、私のような
前者嗜好のファンからすると、それなりのリンチワールド感はあるものの、現実思考を超えたシュールさ加減には満足できず、
悪く言えば中途半端な印象があります。しかし、それは逆に言えば、それなりにストーリーも追っかけやすい作品だ
ということで、しかも強烈ではないにせよ、リンチワールドのムード感はありますので、特にリンチ初心者の方には比較的
とっつき易い、それなりに存在価値のある作品だと思います。まあ、リンチが好きになるか嫌いになるかの指標的作品
かもしれませんね。