最近のクーンツは読みづらい
★★☆☆☆
古くからのクーンツファンですが、最近富みにワープロに向かっていて
感覚に従ってタイプしているような文章が多く、読みづらいなあと思い
つつ読んでいます。
おそらくプロットを組み立ててワープロを打っていると段々型ににはま
ったまま書きあげるような感覚を覚えるんでしょうか?
そのため、ある言葉やイメージから頭を使わずにむしろ指先にまかせる
ような書き方をしているのではないかなと思ったりします。
もっとストレートに書いて欲しいし、もっと明快に書いて欲しいなあと
最近のクーンツを読む度に思います。
余分な装飾的なフレーズを省くともっとシャープになるようにも思いま
す。どこまでも文学作家ではないんだし・・・
時を忘れさせてくれるような作品、B級的な作品の天才でいいんじゃな
いかと思います。
ウォッチャーズを期待するな!
★★☆☆☆
ウォッチャーズを期待して読んだら裏切られるでしょう。
あの作品のような完璧さはなく、ラストが破綻しています。
ラストに向かっていくまでの、人物の作りこみや背景の描き方はすばらしいだけに、ラストのご都合主義的な破綻は落差があり過ぎます。
伏線を張ってはいますが、ウォッチャーズのようなSF仕立てであれば、その世界に入って納得もできるでしょうが、とてもとても・・・
動物を愛するすべての人に読んでほしい癒しのミステリー
★★★★★
犬への深い愛を示す人は、きっと犬からも深く愛されるのでしょう。これは1匹のゴールデン・レトリーバーによる奇跡の物語です。
ドッグ・レスキューとして犬を救護するエイミーは心に傷を負っており、そのエイミーを愛するブライアンにも悩みがありました。また、二人のあずかり知らないところで、邪な企みが進行していきます。一体これから先彼らはどのように関わっていくのか、何もかも見通しているような不思議な目を持つレトリーバーは二人の魂を救えるのか、ドキドキしながらもページをめくる手が止まりませんでした。
この作品では、クーンツの新たな一面を見たような気がします。「解説」によると、クーンツはレトリーバーを家族の一員としていたことがあり、まさにその死に立ち合った年に書かれたのが本書だとのこと。犬への慈愛に満ちた眼差しと熱き思いを伝える言葉が溢れんばかりです。
私は猫派ですが、動物を愛するすべての人に読んでほしい、癒しのミステリーです。