ドラッカーの著作と著者の勉強法の合作
★★★☆☆
ドラッカーは自分の勉強法に焦点をおいた著作を残していない。しかしながら、没するまでに驚くほど多くの社会科学及び経営に関する著作を残している。本書によれば、30歳代で初めて本を執筆したが、60歳を過ぎてからの著作のほうがそれまでよりも圧倒的に多いという。
であれば、相当な情報のインプットをしたはずである。「知識社会」という言葉を産み出し、知識が生産資本の中心になると予想したのが1950年頃となれば、その知識のインプットと活用のために様々な工夫をしたと考えられる。
本書では、ドラッカーが残した著書やインタビュー記事などから、ドラッカー自身の勉強についての記事を抜き出し、幼年期・学生時代・社会人になってからのエピソードも交えて、効果的な勉強法を紹介している。推測部分についてはドラッカーが本当にそうしていたのか疑問に思うところもある。実例はある程度本当なのだろうが。
終盤になってくると、野口悠紀雄氏などの整理法も交えており、純粋にドラッカーの方式と言うわけではない。ただ、全般的にドラッカーの著書からの引用を踏まえて勉強法を提案しており、参考にはなるだろう。
よくある勉強本ではなかった
★★★★☆
ドラッカーブームなのでドラッカーの名前をつけたら売れる、「2匹目の泥鰌本」(アホの壁 筒井康隆の「品格本の節操の無さ」の記述を読んで頂ければ解ります。)なのかなと思ったのですが、自分の中で祥伝社はハズレなしなので(祥伝社新書は読んだことが無かった)買ってみました。
内容は良くある「勉強本」に書いてある内容と「ドラッカーのエッセンス」を組み合わせたオーソドックスな内容でした。特に勝間本と大きな違いは殆どありませんが、ポイントは著者の説得力に尽きます。勉強に対するアクションの理由がこれまで読んだ本よりも明確でシンプル。著者の実践結果と経験からくる信念なんだろうと思います。
ツールを使った勉強法の実際よりもドラッカー理論の上で実践する事、細切れ時間勉強法の信憑性に対する著者の反論、「書きながら考える」の実践、「体系的廃棄」の実行など、私とは文系・職業・ITへの考え方のまるで違う著者ですが、作品に共感しました。アタリです。
体系立った勉強法を手に入れるために!
★★★★☆
96歳になっても、執筆業をやめなかったドラッカーの
勉強=学ぶことに対する姿勢と、その方法論をまとめた本。
非常に成果志向であり、
成果を挙げることを目的とした勉強テーマの設定法、
そのための目標設定、計画、実行のサイクルについて、
触れてある。
筆者の実践にもどづく実例も多く、実践イメージもわきやすい。
自分で応用する際のヒントとしても高評価。
自分自身の「勉強方法」を体系立てる際に最適な本ですね。
ドラッカーの勉強法を追求
★★★★★
ドラッカーはどのようにしてその豊富な知識を身につけたのか?
ドラッカーに関する書籍は多数あるが、ドラッカーの勉強法に着目したのはこの本ぐらいだろう。
ドラッカーに詳しい著者だからこそ、追求できたテーマともいえる。
いかに勉強テーマを決め、勉強計画を立て、インプット、アウトプットするのかについて、
ドラッカーの多くの著書の中から紐解き、導き出している。
自分としては、随所に出てくる「体系的廃棄」の手法が、無駄な勉強を避ける方法として非常に参考となった。
理屈から実践へ
★★★★☆
ドラッカーの著作の中から、勉強法に関係するものを集めたものである。
ただ、集めただけではなく、著者が参考にして実践してきた方法でもある。
3カ年と3ヶ月勉強法や、価値観 強み 機会、目標設定 自己管理、選択と集中
など、ドラッカーの考えを、勉強にどういう風に応用するか、事細かく書いてある。
ドラッカーの本を読んだけれども、どういう風に実践に使ったらよいかわからぬ場合の参考としても良い。