インターネットデパート - 取扱い商品数1000万点以上の通販サイト。送料無料商品も多数あります。

異国の花守 (小学館文庫)

価格: ¥600
カテゴリ: 文庫
ブランド: 小学館
Amazon.co.jpで確認
着物で暮らしてみたくなる ★★★★★
 大きな椿の木のある、つぶしたら建売の5、6軒は建ちそうな広い庭のある旧家を一人で守る老婦人と、その遠縁の娘、雛子さん。お茶の先生でもある大叔母様の着物姿が実によく描けている。こういうご婦人を見かけなくなって久しい。
 物語の主軸は、もちろん雛子さんと、お茶を習いにきている英国人アレックスの恋なのだが、私はこれを読んだ直後、何カ月か着物で暮らしてみた。幸い自宅での仕事なので、それほど不便ではなかった。ちょっと考えれば、私たちの2世代前ぐらいまでは、普段も着物で家事をして暮らしていたのだ。民族衣装を気軽に着られないというのは、かなり情けない話ではなかろうか。
 個人的には、お父さんの跡を継いで伯爵になるというアレックスのお兄さん(こちらは中国の焼き物の収集家)のファンである。
 
いま一つ・・・ ★★★☆☆
 この作者は絵も綺麗で、「雨柳堂」シリーズなどはとても面白くて才能のある人だと思っていたが、この話はいま一つだった。悪いとは思わないし、金沢という町に暮らす若い女性の目を通して日本的な情緒に対する思いなどは描かれているけれど、何だか話があまりにも障害なく進みすぎの感がある。

「異国の花守り」というタイトルと、最初の方を読んだだけで結末の想像がついてしまい、事実その通りのハッピーエンドだったし。だたもう少し深いところまで読みたかった気がする。金沢に滞在する英国人青年アレックスの、日本的なものがどんどん失われていくことに対する思いとか、大学を出て就職がないので故郷に戻った雛子が、故郷に対して視点を新たに見つめなおしていく過程だとか、表面的描写に終わっている気がして少し残念だった。結局この二人は自分なりの人生の岐路を切り開くために何をしたのかな、という気がする。歳をとっても気骨を持って生きているやさしい大叔母さんのペースに巻き込まれて、なんとなく幸せになってしまった、という感がある。

 自分も北陸の人間なので、金沢という町は福井のすぐ近所であり、さほどエキゾチックな場所ではない。しかし金沢には京都とは違う武家文化や、冬に嫌というほど降る雪に代表される厳しい自然にはぐくまれた特有の文化があり、古都を舞台に書くのなら、なぜ京都ではなく、金沢である必要があったか、金沢ならではの空気感をもう少し読みたかった。

金沢のまちなみ ★★★★★
金沢在住なので、「あ、この喫茶店はきっとあのお店だ」とか
「雛子さんとおおおばちゃんの住んでいるところは」とか
「アレックスの勤めている大学はたぶん・・・」など、そのモデルが
どこなのか分かってしまいます(笑)。

波津先生の金沢に対する思い、そして日本文化に対する優しい
(敢えてそう言いたい)まなざしにあふれた作品です。

なんだか懐かしい気持ちになる作品です ★★★★★
この作品はシリーズものでもう続編が一冊出てますが、
どちらもノスタルジックな、どこか懐かしいような気持ちにさせてくれる
作品です。
一応、恋愛ものではあるんだけど、単なる恋愛物じゃなくて、
日本的な情景を描きつつ、人間の優しい気持ちとか素直さとかを描き出してて、
読んでて気持ちのいい作品でした。

波津彬子の作品は、ドロドロしたものとは無縁な優しい作品が多いので、
おすすめです。

ストーリーは、金沢を舞台にした、一本の椿の木(それが花守の意味する
ところですが)を軸にした、主人公(日本人女性)と日本文化にあこがれて、
日本に住む英国人青年の恋愛もので、一話完結方式のシリーズです。

印象的な和漫画 ★★★★☆
少女漫画だが、まったくもって小説のような余韻を残す内容。日本文化に興味を持つイギリス人と、近世文学を学ぶも、就職に失敗し実家へ戻る主人公。脈々と流れる「日本文化」のかほり高い古都・金沢を舞台に、主人公の茶道教授であるおばの家に咲く一本の椿の木を中心に、主人公と英国人青年の縁をめぐる恋愛もの。椿の花の精(佐保姫?)がキーパーソンとなるわけだが、不思議と現実味があって大人でも十分楽しめる、しっかりとした構成に好感が持てる。