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印象派はこうして世界を征服した

価格: ¥2,310
カテゴリ: 単行本
ブランド: 白水社
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投資としてのアート ★★★★★
絵画は偶然なことで現代アートから入りました。印象派から現代まで、つまり19世紀後半から現代アートにいたる繋がりが理解できた。その更に以前には現時点で興味ありませんので、自分には非常にジャストミートな内容でした。100年以上前の事象の取材がすばらしい。自分にとり非常に有用な知識が得られました。アートの未来を考える参考になりました。『印象派とコンテンポラリー!』自分にとり非常見興味深いテーマです。もう一度マーカーもって読み直します。印象派とあるが、実はコンテンポラリーに興味ある方にも是非、特にお薦めです。印象派って???何、というレベルでしたので、一切予備知識なしの自分には全てが新鮮で有用でした。100年以上前の詳細な取材は名著!間違いなし。よいタイミングで出会いました。出版に感謝!
Manet,Monet,Money ★★★★☆
 本書の原題は“The Ultimate Trophy: How the Impressionist Painting Conquered the World”。
著者はオークショニア、画商であり、テレビ・コメンテーターとしても活躍。
 そして、本書はそんな視点から観察される印象派受容をめぐる変遷の記録。
「印象主義は19世紀後半にフランスでおこった絵画の革新的運動だが、当初その作品は
人々に理解されることがなかった。……だが、この100年あまりのあいだに、人々の印象
主義に対する見方は劇的な変化をとげた。かつて激しい議論を巻き起こしたその作品が、
世界でもっとも人気が高く、また最も親しみやすい美術となったのである。同時に、印象派の
絵は巨万の富の象徴となり、……金融的価値ももつようになった。……いったいどうしてこのような
事態になったのだろうか? なぜある国々の人々は、ほかの国々に比べ、印象派を早く
評価できたのだろうか? 富裕層を特に魅了する特別な何かが、印象派の画家たちには
あったのだろうか?」

 彼らの台頭した当初においては「モラルの衰退」とまで酷評されたスタイルが、今や
「永遠性の象徴」として眼も眩むほどの高値で取引されている。
 本書が論じるのは、画家各人の物語というよりは、彼らの表現を受け止める民衆の美術史。
 一方では、印象派への限りなき敬意と心酔を表明しつつも、他方では、投機的価値と虚栄の
シンボルとしてのみ印象派を取り扱うことを揶揄し、「なぜ、美術館は、全部の展示作品の横に
保険評価額の札をつけないのだろう? 私は、こうした刺激的な情報が、美術館の来館者数を
おおいに増大させると確信している」などと皮肉ることも忘れない。そこには、絵画取引の
最前線に立ち続けてきた筆者ゆえにこそ成り立ち得る目線が存在している。
 もしもあなたがモネについて知りたい、あるいは彼の絵画の解釈の仕方を詳しく学びたい、と
言うのならば、本書はさしてそのリクエストを満たすものではないだろう。
 しかし、絵画を見つめる側、あるいはそれを媒介する側の軌跡をたどったテキストとしては
非常に洗練されたもの。難解な用語や理論もほぼ皆無、たとえ印象主義にさしたる興味を
持たない方であったとしても、感受性は絶えず社会性なくしては成立し得ない、そんな
社会的動物としての人間観察の記録として十分に楽しむことができるだろう。
展覧会が好きな人に ★★★★★
芸術を鑑賞者側から眺めるだけでなく、ウラ側からも見ることができる、不思議な一冊でした。

美術の専門家ではない自分には難しいかなと思って読み始めましたが、ひきつけられてあっという間に読んでしまいました。
白黒ですが、ふんだんに絵や写真が掲載されている点も、評価できます。
一度でも絵の展覧会に足を運んだことのある人には、楽しんで読める本です。

意外なエピソードが暴かれていて、本当かしら、と少し疑ってしまう面もありましたが。
そんなウラ話も十分堪能できました。
異端が主流になった理由を探った一冊 ★★★★☆
 分かりやすいタイトルです。確かに印象派は世界を席捲しています(特に日本では)。
では、その印象派は発生当時から現在のように隆盛を極めていたのか?

 答えは−御存知の方も多いでしょうが−「否」です。

 発祥の地フランスでは叩かれまくっています。ひどい所では「妊婦が印象派の絵を見ると
流産してしまう」といった、現代人からすると荒唐無稽な話もあったのです。では、それを
評価し、今のように多大な金銭が動く状態を作ったのは何処の誰なのか?

 それは・・・欧州から見れば異端の人であるアメリカだったのです。そう、異端の絵
(印象派はパリ=フランスの主流では無かった)を異端の人(アメリカも欧州とは別の世界)が
評価し、買い始めたことから、今の流れへ続く道が出来たのです。

 他のエピソードを簡単にまとめてみると・・・

・絵は人を高みに導く(教養を身につけさせる)と一部は信じられていた。
・画廊はどうやって絵を高く売る仕組みを開発したのか?
 (名画だから売れる、という訳では無いのです)
・印象派を積極的に受け入れたドイツ。
 (退廃芸術としたナチスも絵の市場価値は認めていた。また、ゲッペルスのように集める人もいた)
・逆に受け付けなかったイギリス。
・イギリスでも受け入れたのは異端の人だった。
 (彼らは前衛が人を進化させると信じていた)
・印象派が世界を統一=占領したのは第二次世界大戦後。
・そしてついに印象派は大富豪のシンボルとなった。
・悲しいかな、日本に於ける印象派(というより美術全般に繋がるのか)の扱いにも記載有。
・画廊&オークション業界(サザビーズとクリスティーズ)の裏話。
・カーク・ダグラスに怒ったジョン・ウェイン・・・
 (ダグラスは映画でゴッホ役を演じた)

 ・・・といったことが詰まった274pです。白黒ですが印象派の名画も多数収録されています。
また、この本は当時の文化的状況もうかがえる一冊です。そういう意味では文化史に興味がある方
にもお勧め出来ます。
印象派が受け入れられてブームになる過程 ★★★★☆
印象が登場した時、アカデミーで拒絶されたというのは、有名なので、多くの人が知っているだろう。たしか、中学校だったか高校の美術の時間に習った。しかし、どのように受け入れられたかは習っていない。本書では、フランスで認知される過程(画廊のオーナーや画家の奮闘)、アメリでは当初から受け入れられたこと。何故、アメリカの美術館が沢山所有しているかが分かる。ドイツやロシアの隠れ印象派ファンの存在や戦争に略奪。歴史的にフランスに反感を持つイギリスでの困難さなど、有名な人、無名な人の様子が描かれている。そして、印象派の絵が、高価になって行く。
日本についての記述は,他に比べると貧弱であるが、バブル期の醜さや成金日本人コレクターの呆れた振る舞いも紹介してくれる。