転戦
★★★★★
妻の張藍を救出するため、林冲は単身で開封府に向かいます。無敵であり、豪快であり、傲慢であり、愉快であり、そして心優しい、男が憧れる男だからこそ、誰もが助けたいと思うのかもしれません。
一方、花栄に進言され楊令には心配され、解珍に野暮な男とまで言われてしまった秦明が公淑と結婚します。これまでに体の接触が一切ない点でも大人の恋心を感じさせます。
祝家荘戦が終わっても息つく間もなく、梁山泊の生命線である塩の道が狙われます。盧俊義や柴進が追い詰められ、晁蓋を筆頭に救出に向かいます。恋の予感がする扈三娘、同志を憎む楊林に、志とは別に人には感情というものがはある、と思わせる内容です。
『水滸伝』(1〜19/替天行道:北方水滸伝読本)
★★★★★
書き始めると止まらなくなりそうなので…
原典の『水滸伝』を凌駕した最高峰の中国史小説でした。
そして、読んだ全ての人それぞれに違った想いを抱かせる、枠に嵌らない作品だと思います。
一読の価値は間違い無しだと思います。
林冲は死なず! 柴進らは危機一髪!
★★★★☆
祝家荘戦での胸をすくような勝利のせいか、物語的には一服感のある巻。
ただ、青蓮寺の塩の道への猛攻から次巻以降の展開が気になります。
塩の道からの利益は途絶えてしまうのでしょうか?
替天行道は、想像の彼方に
★★★☆☆
おもしろきかな、この男たち。
一人、馳星周。一人、北方謙三。
『替天行道』は、これを詳らかにしてはいけない。
それこそ、読み手がこの内容を想像するところに意味を持たせている。(謙三さん、そうでしょうか?)
穿った見方をすれば、もしこれが書かれてしまったら、この物語のすべてが崩れ去ってしまうだろう。
ここまで、星周さんの解説を読んでの私の感想である。
逆に、あなたが『替天行道』の中身を書いちゃったら、どうでしょう。そしてこれは、あなたの北方氏への理解の表明となるでしょう。
単に、私は「ケ飛」が好きだ。「志」などに左右されない自己を持って生きている。
扈三娘ファンも注目
★★★★☆
林冲の性格の全てを読み切った青蓮寺の罠、
そしてそこに宋江が追い打ちをかける。
楊志に続いて林冲も著者の毒牙にかかってしまうのか?
深まる晁蓋と宋江の対立。
宋江が下す林冲への死の宣告に
梁山泊は一丸となって戦う!
…誤解を招く表現ですね。嘘は言ってないのですけど。
扈三娘と王英の恋の行方にも注目です。