インターネットデパート - 取扱い商品数1000万点以上の通販サイト。送料無料商品も多数あります。

塚本邦雄の青春 (ウェッジ文庫)

価格: ¥840
カテゴリ: 文庫
ブランド: ウェッジ
Amazon.co.jpで確認
「評伝」ではないが、塚本短歌の原点を垣間見ることができる ★★★★☆
現代短歌を変えたとも言われる塚本邦雄の青春時代を中心に
主に作品解説をメインに筆を進めていく。
その意味では、「塚本邦雄はナニモノだったのか」という人物評伝ではない。
個人的には、たとえば寺山修司の評伝が無数にあるように、
没後3年、塚本邦雄の評伝が出てもおかしくはないと思うし、
出版されたらぜひ読みたい。

本書は、「水葬物語」でデビューする以前が、メイン。
いわば「歌人・塚本は、いかにして誕生したか」を探る本である。
総合的な評伝としては物足りないが、
塚本邦雄の原点を垣間見ることのできる得難い1冊かも知れない。

難解と言われる塚本短歌だが、気合(?)を入れて読み込めば
何とも言えない世界が見えてくる。
塚本邦雄は歌人である前に「詩人」だったと痛感させられる1冊でもある。

現代短歌の巨人の青春時代 ★★★★☆
謎に満ちたというよりは、虚構の年譜を生きてきたと思わせる孤高の歌人の青年時代を描く得がたい1冊。

評者は読んだことはないが、1972年生まれの著者・楠見朋彦は塚本邦雄に師事していたのだという。
筆致は禁欲的であり、素っ気無いくらいで、エンターテインメント作家の手になるものとは思われぬくらいだが、難解、鮮烈な塚本の歌を解明するよすがとなるかもしれない。
京都新聞の滋賀版に連載されていたものをまとめたこともあり、淡々としているが、読みやすい。

それにしても塚本の歌のむずかしいこと。鮮烈なのだが読めば読むほどむずかしい。どこかで読む者の解釈を拒むところがある。それこそが文藝かもしれない。