近藤重蔵がまたも強烈な個性を発揮
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主人公の火盗改め与力近藤重蔵は幕末期実在の旗本で、後年わが国の海防のため択捉島まで出張り日本の領土である旨碑を残して来たそうである。
早くから神童と呼ばれ剣の腕も立ち、20代前半の若さで押し出しも異常に強く、また女にも全く弱くない。昼間から茶碗酒をぐびり、ぐびりと呑み、特製の鞭で悪党を打ち据える。
韮かニンニクのような強烈な個性を別にすれば、絵に書いたような痛快時代劇ヒーローである。
因みにタイトルの「じぶくり(る)」とはぶつぶつ言ったり、屁理屈をこねたりすることだそうだ。
怪盗じぶくり伝兵衛事件を始め、今回も重蔵の推理と鞭が冴え渡る。