A [DVD]
価格: ¥5,040
1994年の松本サリン事件や1995年の地下鉄サリン事件などで日本中を震撼させたオウム真理教(現・アーレフ)。本作は、あくまでも中立的立場を固持しつつ、教団の広報担当者・荒木浩に密着取材し、「なぜ事件が起きたのか?」ではなく「なぜ事件の後も信者で居続けるのか?」という点を追求していくドキュメンタリーであるが、その中からオウムのみならず、彼らを糾弾するマスコミや現代社会全般に対しても鋭いメスを入れていくという、まさに日本の闇を突いた衝撃的問題作でもある。
監督の森達也はTVディレクター時代に、オウムを絶対的悪として描くよう強要するプロデューサーと衝突して契約解除され、以後自主製作として本作を完成させた反骨の人物。観ているうちに、今自分が日本人として日本で生活していることまでも改めて考えさせられてしまう意味でも、必見作といえよう。(的田也寸志)