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淋しかったからくちづけしたの―林静一傑作画集 少女編

価格: ¥2,625
カテゴリ: ペーパーバック
ブランド: PARCO出版
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素敵です。 ★★★★☆
ロッテのキャンディー小梅ちゃんのイラストでお馴染みの作者による
60年代から現在までの作品を集めたミニ画集、といったところでしょうか。
今では絶版になっている画集からの作品もけっこう収録されていますので
入手しやすい点、値段からみても現時点においてはベストな画集だと思います。
ただし、やはり本のサイズがちょっと小さいですね。
個人的に画集<心景美人画>からの作品群がすごく素敵で気に入っているのですが
もうちょっと大きいサイズで見たかったな。。。
と、いったところが正直な感想なので個人的に★4つです。
失礼しました。
「小梅ちゃん」が好きな方にはオススメ ★★★★★
 繊細で儚げ、その一方でとても力強く大胆。
 そんな魅力あふれる少女達を描く、林静一さんの40年の傑作選です。
 単行本小説のような小さい画集ですが、林さんのシンプルで洗練された画面構成の全体図をよく見ることができる、ちょうどいいサイズです。また、94点もの作品が収められていて、ボリューム満点です。

 内容は、表紙のような「小梅ちゃん」と同系統の絵が多く、横顔の少女が中心です。
 他には87年のアニメ映画「源氏物語」(キャラクター原案担当)や、ジグソーパズル「立ち姿三姉妹」の絵といった、かなり大人っぽい作品もあります。
 けれど、どの作品にも、「和」のテイストと「昔の香り」があると思います。たとえ洋服を着ている少女でも、とても「日本」を感じ、そこが林さんの絵の最大の魅力じゃないかと思います。

 感想は、とにかく素敵!のひと言です。
 美しさと愛らしさの両方をかねそなえ、大人でも子供でもない危うさを秘めた少女達。透明で清純、なのに艶っぽく、とても惹かれるものがあります。
 少女達が魅力的に見えるのは、その仕草のせいでもあります。貝殻を耳にあてる、紙風船をふくらます、笹船をつくる――手の表情がかわいい。そして着物の柄、帯の形、髪飾りひとつ取っても、おしゃれで粋。
 そして色彩、構図の画面構成がとても上手い。林さんの絵がシンプルなのに全く飽きさせないのは、ここにあると思います。目の覚めるような青や黄。かと思えば、空気にとけてしまいそうな淡色。持っている色彩の幅が広く、色の取り合わせが上手い。人物の配置がよく、余白の空間が生きている。味のある背景、そして高い画力。
 林さんの絵は、百年たってもすごくおしゃれだと思います。

 ページをめくっていると、扉の隙間からこっそり少女達をのぞいているような気分になります。どきどきして、せつない。それは少女達自身の気持ちかもしれません。
 そんな林静一さんの世界を、ぜひ見てください。
すみません、今まで知らずに…。 ★★★★★
~美輪明宏さんの「黒蜥蜴」を鑑賞した折、本著を美輪さんが推薦されているという事を知りまして手に取った次第です。今、手元にありますが「すみませんでした。知りませんで。」というのが本音です。美輪さんを通じて、大正ロマンからの流れや中原淳一さん等々を知りましたが、私の前に書かれている人のレビューにも記載のとおり、「小梅ちゃん」で私たちはよ~~く目にしていたはずですね。しかし、そうした機会をなおざりにしていた自分自身の鈍感さに恥ずかしくなりました。林静一さんは本著の中で素晴らしい感受性で少女を描きあげています。騒がしい雑誌の表紙ばかりのこの頃ですが、林さんの画集から選んで表紙を飾るような雑誌でも出版されれば、見る人の目も癒され、感受性豊かに、美しい人になっていくのでしょ~~うね。お薦めいたします。~
現代の夢二、久々の画集☆ ★★★★☆
イラストレーター、漫画家として知られる、林静一氏の、「少女」をモチーフとした作品を集めた、久々の画集。(あの「小梅ちゃん」の…というと、わかる方も多いでしょうか…?)
70年代から2002年あたりまでの、90点以上の集大成で、その叙情と、時々見せる透明な艶っぽさが堪能できます。
ソフトカバーで、大きさもA5変形と…購入前は安っぽい印象じゃないかと心配していましたが、実際に手に取ってみると、氏のイラストの雑味なさもあってか、とても手頃&充実した1冊との満足感を憶えました。
「はる」「なつ」「ゆめ」「あき」「ふゆ」の5章構成で、氏ならでは(あるいは、日本の絵の伝統でもある)"線"と"面"の美しさを、静かに鑑賞できます。
余談ですが、某100円ショツプのグッズに使われているイラストの多くも収録されていて、ある意味なじみ深い面もあるかも。

もし手に入れたら、ぜひ、赤いカバーをめくってみて、本自体の装丁への心遣いの細やかさにも注目して欲しい1冊です。