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赤色エレジー (小学館文庫)

価格: ¥660
カテゴリ: 文庫
ブランド: 小学館
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★★★★★
あがた森魚の名作のモチーフとなった作品。

まず断っておくのは、漫画にテンポのよさを求めている人にはこの作品は合わないだろう。どのくらいそうであるかという、つげ義春よりもずっとずっとテンポはないというレベルだ。それでいて、味がある。これは音楽で言うとポストロックのような作品だ。貧乏で同棲している恋人2人の空気感だけが、ここにはある。その空気感だけを読者は感じ、そこにある人の儚さと美しさを見るのである。
やや退屈、絵は個性的 ★★☆☆☆
絵に惹かれた購入した。個性的でそれはよいのだが、物語が私の感覚からするとやや淡泊です。
おもしろかったぁ、という感想はでない作品と思います。
辛く哀しい恋を超えて… ★★★★★
 この作品が辛く哀しい恋の話であることは確かだ。しかし、これだけでは伝えきれないものがある。単純化された絵の白と黒の哀しい感じ。その間に現れるリアルな描写の迫力。それらが複雑に組み合わされていて、作品に一貫した静寂と緊張感を与えている。

 二人の男女の相手に対するやさしさ、愛情を伝えきれない不器用さ、相手への甘え。
 二人はそれぞれに家族との問題を抱えている。相手のことを思うたびに傷つき、傷つけてゆく。その悪循環に男女は流されてゆく...。

読み終わったあと、考える。「もし、僕がこの男女の立場になったとしたら、何ができただろう?」と。答えは...わからない。僕は、まだ若すぎる(高校生)。答えがあるのか、ないのかさえまだ...わからない。
奇跡の一作、宇宙を包摂するアパートメント ★★★★★
日本には「ハイク」という詩形式があり、池にカエルがとび込んだ、という記述のみによって宇宙全体を表現する、と学びましたが、あまり信じてはいませんでした。

しかし、今では私は間違いを認めなくてはなりません。『赤色エレジー』に出会った後では信じられます。狭く貧しいアパートメントに生起する簡素なマンガストーリーが何故、こんなにも広大な世界を思わせますか。ほんとうに不思議です。何も描かれていない余白には「ZEN(禅)」の気韻が満ち、何も説明しないショットがナーガルジュナの学説で言う「すべて」を語り、直接エロチックな描写はないのに逆にそれが、あるいは沁みわたるようなエロス。これが産業革命以降に達成された「ハイク」精華であるのは大きな奇跡で、東洋の魔法です。横四段に仕切られた画面コマの中で空を仰ぎ、肩を揺すり、ポケットに手を入れたまま俯いて走り出す一郎の、大いに単純化された黒いシェイプとその配置は、写真集で見た「竜安寺」の石庭のようです。大胆で精妙な人物カタチの動きには林静一のアニメーターとしての経験の投影が明らかで、あらためてアニメは現代日本文化の象徴であると、想起されます。これを読まない人は可哀想です真実。
コマ間を読む ★★★★★
よく小説で「行間を読む」という言葉を耳にするが、
この作品は「コマ間を読む」と言った感じだろうか。
あの時幸子は本当は何を言いたかったのか、とか、
あの沈黙の間一郎は何を考えていたのか、とか、
そこでは決して明確に描かれることはないのだけれど、
コマとコマの間にうっすらと浮かび上がる、
匂い立つようなリアルが感じられる。
どんな限界状況にあっても手放すことの出来ない
二人のお互いへの愛情の深さに嫉妬すら感じてしまう。

巻末であがた森魚氏この作品の素晴らしさを
うまく解説しているので、こちらも必読。